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岸川聖也のホンネ試打シリーズ『岸川聖也がV>15 Extraを分析』

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岸川聖也のホンネ試打シリーズ『岸川聖也がV>15 Extraを分析』

岸川聖也のホンネ試打シリーズ第4弾は『V>15 Extra』。
今回は丹羽選手や木原選手など多くのVICTASアドバイザリースタッフが使用しているVICTASを代表する『V>15 Extra』を、数々の国内外のタイトル・メダルを獲得した岸川聖也が試打。様々なプレーで試しながらホンネで紐解き解説。

V>15 Extra

V>15 Extra
V>15 Extra性能表
  1. 製造国:ドイツ
  2. ラバーの種類:ハイエナジーテンション裏ソフト
  3. スポンジ硬度:硬度47.5±3

V>15 Extraを分析

フォアドライブ・対ループカウンタードライブ・中陣ドライブ

フォアドライブ・対ループカウンタードライブ・中陣ドライブ

『トップレベルの質が高いボールに対して対応できる高い性能』
強い回転がかかったボールでも、回転量に負けることなく打ち返せますね。
逆に、自分の力で打つ時も威力のあるボールがしっかり打つことができて、いいボールが行きました。
トップレベルのボールは、回転量や威力などボールの質が高いのでそういったボールにいかに対応できるかがポイントになってきますが、V>15 Extraはその点をしっかりカバーできる性能の高さを感じました。
『V>15 Extraは直線的なボールになる、硬いから落ちる』というイメージがある方が多いと聞きました。確かに当て方によっては直線的なボールになりましたが、一方で台から下がってドライブをしっかりかけたときは弧線を描きながら飛距離も出てくれました。
打ち方・ボールの当たり方(長く持って当てるか・短く持って当てるか)で2通りのボールの軌道を生み出せるのだと思います。
また、ボールが落ちるというのは、インパクト時に相手のボール+自分のパワーがうまくラバーに伝わらずラバーの性能を生かしきれていないことが原因だと思うので、ボールが当たる瞬間を意識すれば解決できると思います。

バックブロック・バックドライブ

バックブロック・バックドライブ

『威力のあるカウンターが最大の特長のラバー』
本来ブロックは軟らかくてしっかり食い込むラバーの方がやりやすいのですが、レベルが高くなればなるほど、ブロックをなるべく減らして、どうやって回転をかけ返すか、どうやって攻撃に転じていくかが大事になってきます。
V>15 Extraはかけ返すのもブロックも、どちらの技術も僕自身はやりやすく感じました。
それは相手のボールに負けないシートの性能の高さと、ラバーの硬さのバランスが可能にしているのだと思います。
中でもカウンターがこのラバーの良いところを存分に発揮できると思いました。
このラバーはかなり硬めのラバーなので反発力が高く、質の高いカウンターになりますね。
そこがこのラバーの良いところだと思いますし、最大の特長だと思います。

対下回転ドライブ

対下回転ドライブ

『ドライブで仕掛けてから超攻撃的なプレーに持っていきやすい』
フォアドライブや中陣ドライブでも感じたのですが、ハーフロングのボールに対してもしっかり回転がかかり、対下回転のボールに対してのドライブでもボールを持って回転量の多いループドライブができました。また、ループだけでなく普通のツッツキ打ちもやりやすかったですね。
まずはドライブで攻撃を仕掛けて、このラバーの得意なカウンターなど超攻撃的な展開で攻めていくというプレーに持っていきやすいと思いました。

台上プレー・チキータ

台上プレー・チキータ

『硬さがあるので質の高い台上プレーができる、高いポテンシャルのラバー』
このラバーは硬いラバーなので、自分からガツンといくストップやツッツキは精度のいいボールが行くと感じました。
チキータや台上ドライブも鋭く質の高いボールになりました。
台上プレーがうまくいくと得点率も上がるし、その後の攻撃の組み立てで主導権を握ることができるので、ここのやりやすさやプレーの精度の高さはこのラバーの良いポイントのひとつだと思います。
軟らかいラバーだとやりやすさはあるんですけど、「自分にとってのやりやすさ=相手もやりやすいボール」でもあるので、このラバーのような硬いラバーだとコントロールするのに最初は時間がかかるかもしれませんが、相手にとっては取りづらい質の高いボールを生み出すことができます。その点からトップ選手が使用できる高いポテンシャルのラバーだと感じました。

総評

総評

『超トップ選手が満足する高い性能を持ったラバー』
V>15 Extraの第1印象は『硬くてトップ選手向けのラバー』でした。
いい体勢で打った時のボールの威力は、どの技術でもすごく良いボールが出ましたね。
回転もしっかりかかるラバーなので、僕が得意としているバックのカウンタードライブでも相手のボールに負けずにかけ返すことができる質の高いボールになりました。
超トップ選手が満足する性能のラバーだと思います。
フォアドライブで触れましたが、『V>15 Extraは直線的なボールになる、硬いから落ちる』というイメージは、打ち方・ボールの当て方によって良い意味で2通りの軌道のボールが打てるということ、相手のボールと自分のパワーをうまくラバーに伝えれば解決できると思うので、場面によって打ち分けることと、しっかりラバーの性能を生かすように力を伝えることがこのラバーの強みを生かせるコツではないでしょうか。
高性能で反発力のあるシートとスポンジの硬さのバランスが良く、トップレベルが求めるボールを可能にするラバーだと思います。

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岸川聖也プロフィール

岸川聖也プロフィール

・所属:ファースト
・生年月日:1987年5月21日
・戦型:右シェーク攻撃型

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