V>15 はなぜ支持されるのかーV>15開発エピソードを知るー
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追い求めた性能が”選手を変える”
『V>15シリーズ』にスポットを当てて3回に渡り特集する。第1回目の今回は『V>15誕生秘話』を紐解いていく。
その1「脱・個性的を目指し、トップ選手が求める性能を追求」
2011年1月1日、VICTASが誕生し、デビューラバーは表ソフトの『VO>101』だった。だが、やはり卓球用具の本命は裏ソフト。これまでにないスピード性能を持つ『V>01』、スポンジ硬度を変えた『V>01 リンバー』、カット用裏ソフト『VS>401』などを次々に発表したが、王道というより個性的。「これは独特でおもしろいから発売しよう」という思考を切り替えて、「たくさんの選手が求める性能」を追い求めた裏ソフト、それが『V>15』だ。
開発側の好みは捨て、主観的な意見ではなく、客観性を大事にしたラバーを追求し、全国のトップクラスの高校生、大学生、実業団の選手に何度も試打をお願いした。
開発側の感性を捨てるという容易ではない決心も『V>15』には注ぎ込まれている。
その2「シートの強さが他項目を引き上げる」
開発当初はグリップ力が一番あるものを選んでいた。選手のレベルが上がるほど、カウンタードライブが重要になるからだ。シートが負けないからカウンターができる。グリップ力を謳ったラバーを作ることが当初の目標だった。
ある部分が特化したラバー、それは今までのVICTASの開発と変わらないため、慣例通りに個性的なラバーになる予定だった。しかし、そこにはうれしい誤算がある。それまでスピードのみ、スピンのみなど、具体的な数値にこだわってきたが、グリップ力に注目した結果、飛距離もスピンも評価を伸ばしてくれた。開発担当が試打した時に「飛ばないなあ」と感じていたが、試打結果では飛距離の項目も良いことが不思議だった。それまでは反発力、つまりスピードがあれば、飛距離も出ると考えていた。『V>01』はスピードがかなり出るが、飛距離はあまり出ない。しかし『V>15』は『V>01』ほど出ないが、飛距離が出る。スピードだけでなく、回転量がないと相手のコートでボールが台をキックしない。そのためにはシートとスポンジの連動が良いラバーでないといけないのだ。
試打の時の感覚は前陣でのドライブで「飛ばない」と感じていただけで、下がった時の飛距離、ボールの伸びはこれ以上ないものだったのだ。
反発力と飛距離は違うということがこのラバーで分かった。10種類以上のサンプルの中から選ばれたラバーは、グリップ力を一番に考えた結果、各評価項目が引き上げられ、きれいな五角形が完成した。試打選手たちは、その総合力を高く評価した。
その3「多くの既存概念を壊したVICTAS V>15で殻を破るチャンスをつかめ」
『V>15』は中高生のローカル(地方)チャンピオンに対して、「プロジェクト15」という支援制度を行った。まずは試してもらい、性能を気に入ったら毎月定期的にラバーを提供するシステムを作った。結果的にプロジェクト始動後の16年1月の全日本選手権(ジュニアの部)には『V>15』を使った選手は成績を伸ばしている。彼らが求めるものは勝利だ。自分の成績が上がらないのであれば『V>15』を使わない理由はない。
自分を変えたい、勝者になりたい。彼らは『V>15』を手にした。
「I AM NEXT.」次は自分だ。