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打球点

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卓球選手の会話では「打球点」という言葉が多く出てくる。インパクトという英語でも置き換えられるが、インパクトはどちらかというとボールとラケットの当たり方の強さを表すことが多いようだ。
打球点とは、その名のとおり、ボールを打球するボイントのこと。「打球点が体の後ろになっている。もっと体の前で」とか「ボールの上昇前期で打とう」、「ボールの頂点を狙え」というように使われる。
卓球のラリーの応酬はスポーツの中でも最も早く、相手から打たれたボールは0.2- 1.1 秒くらいで飛んでくる。その中で0.1秒打球点が遅くなるということは何十mも遅くなることになり、これは命取りになる。
卓球選手は一人ひとりプレースタイルが違うので、その選手にとって最適な打球点も違う。ある人は頂点が最適な打球点、ある人は 頂点前のボールの上昇期が最適かもしれない。自分の最適な打球点をしっかりつかみ、それによって打ち方や台からの距離を決めることも大切なことだ。

丹羽孝希(スヴェンソン)
丹羽孝希(スヴェンソン)

ボールのスピードや回転と同じように打球点の早さは得点するための手段。相手が打球したあと、まだ体勢がくずれているときに返せば得点できる。これは威力がなくても早い打球点というだけで得点できるのだ。
卓球でよく言われる「ピッチ打法」 というのはまさに早い打球点での攻撃。 ボールのスピードがなくても返球の早さで相手を苦しめることができる。逆にルー プドライプやカットのように、わざと打球点を遅らせて、回転をかけてもボールは安定する。 攻撃選手にとってボールが最も安定して強く打てるのが「頂点」。スマッシュや一発のパワードライブは頂点で打つのが最も安全だ。ショートやストップなどの技は頂点前のボールの上昇前期(バウンド直後)。ハーフボレーやツッツキ、快帯 (ショートスイングのカウンタードライブ)は上昇後期。カットマンの対ドライブのカットはボールの下降前期から後期までの間。
こういう打球点の幅を十分に生かして、卓球に取り組むと別のおもしろさがあ る。「私は頂点で打たないと気がすまない」「上昇前期でないとだめだ」 「反射神経力髄いからボールが下降するときでないと間に合わない」などと言わずに、最適打球点を頭に置きながらも、 いろんな打球点で打てるように練習しよう。