多球練習
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今や初心者から上級者までの練習の中ですっかり定着した『多球練習」。
50- 100球と卓球ボールをたくさん用意して、ノッカー(ボールの送り手)がボールを送り、練習者がこれを打ち返す練習。 もともと日本では野球のノックで同じ ような練習が行われてた。また、 1964年の東京オリンビックで“東洋の 魔女“を育てたバレーボールの大松監督が行っていた練習を見て、中国チームが取り入れ、それを卓球の練習の中でーつの練習方法として発展させたとも言われている。 1個のボールを使って二人で打ち合うのが「1 球練習」だが、多球練習はそれに比べ、一定時間内でたくさんのボールを打てるという、“量的効果” が期待できるので、特に初心者にはとても有効な練習だ。
①一定のスピード、回転のボールを送り、一つの打法をマスターさせる、
②次にボールにスピード、回転、長短に変化をつけて送る、
③次に半面、または3分の2面、そして全面というように範囲を広げ、それに対して練習者は動いて打つ、全面的な打法で打ち返す、最終的には、全面に全く違う球種のポールをスピードやビッチを変えて送る、というように練習者のレベルに応じて、練習難度を高めていく。
このように、打法をマスターするため、対応力や反応を高めるため、練習者 の弱点を改良するために多球練習は非常に役立つ練習だ。卓球マシンの使用も有効である。
しかし、もちろんこの練習は万能ではない。実際の試合では相手はこちらの読みをはずしたり、予測できないボールが来たり、こちらがボールの変化をつければ相手のボールも変化して返ってくる。
多球練習だけでは、打法やプレーに柔軟性がないものになる。よくいわれる「ロボット的」な選手だ。
練習の中で多球練習と1球練習をうまくミックスさせることが重要。 また、ボールをたくさん打つということで送り手や練習者が「自己満足」に陥ることもある。疲れるだけの練習でなく、あくまでも練習者に適切な内容で質の高い練習を追求しなければならない。
よくボールを早く送るのが一番だ、と思い、練習者の打つのが間に合わないピッチでおくることがあるが、ボールを送るピッチも実際の試合に近いものにしよう。
そうしないと練習が雑になるというマイナス面も出てくる。