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ペンホルダーラケット

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ペンホルダーは“異様”なグリップ!?

現在の卓球スタイルにおいて、アジアにあってヨーロッパにほとんどないもの。それは「ペンホルダーグリップ」。ペンを持つようにラケットを握るので、このような名前がついた。

日本式ペンホルダーラケット

ペンホルダーラケット
WFS ハイ S(角型)

ハシを使う習慣を持つアジアの人にとって、ペンホルダーグリップは自然に握れるのだが、ヨーロッパの人にとっては“不思議”な握り方だった。時代をさかのぼって、昭和27年。第19回世界選手権がインドのボンベイで開催された。この大会で日本は、世界選手権初出場にも関わらず、7種目中4種目で優勝した。そのときの日本選手は、全員がペンホルダーグリップ。しかし、当時の世界の卓球は、全員が“シェークハンドグリップ”ゆえに日本選手のグリップを初めて見た他の国の選手、ジャーナリストにとっては異様なグリップとして映ったようだ。この大会で日本選手が日本選手として初めての世界チャンピオンとなった、男子シングルスの決勝戦。その時の模様をロイター電は、こう伝えた。 「異様なペンホルダー卓球は……風変わりだが……勝利を握った」

卓球の発祥は1876- 1900年までの間のイングランドと言われている。その頃は、もちろんみんなシェークハンド。握手を習慣とするヨーロッパ人にとっては「シェークハンドグリップ」が自然だったのだろう。この競技を見たアジアの人が自国に持ち帰り、お箸のようにラケットをつかんだのが「ペン ホルダーグリップ」の始まりのようである。

サーブを出しやすく、 台上プレーもどんと来い!

ペンホルダーラケット ヒノカーボン
ヒノカーボン S(TSP)

ペンホルダーラケットの特長はサーブ、台上プレーなど手首が使いやすく小技がやりやすい点だ。逆にバックの攻撃技術は難しいと言われている。しかし、シェークと互角のバックハンドや、裏面打法を身につければ、ペンホルダーの新しい卓球が作ることができる。 ペンホルダーラケットには大きく分けて①角型、 ②丸型、③角丸型、の3種類の形がある。 角型はラケットの長さがわずかに丸型より長くて横幅が狭い分、遠心力を利用した打法、たとえばスマッシュ、パワードライブ、台から離れての打ち合いで長所を発揮します。しかし、ラケットの長さがある分、小回りがききにくい面もあり、台上プレーや速いラリーでのフォア・バックの切りかえは丸型より劣ると一般的に言われている。

マルティ ペンホルダーラケット
マルティ(TSP)

丸型は角型よりわずかに短く、横が広い形。 丸いのでラケットをどういう方向に向けても同じように面が出るために、ショートがやりやすく安定する。また小回りがきくので台上プレー、フォア・バックの切りかえもスムーズにできるという長所があり、その上スマッシュの安定もある。しかし、 遠心力を使った打法や台から離れての打ち合いでは角型より劣る。また、丸型には「日本式」と「中国式」の2種類がある。 「日本式」はグリップ部分がコルクでできており、入差し指がひっかけられるようになっている。もう一方の「中国式」はシェークラケットのグリップ部分を切り取った形で、コルクの出っぱりがないためにわしづかみの握りに適している。

スピンエースカーボン ペンホルダーラケット
スピンエースカーボン(TSP)

角丸型は、角型と丸型の長所を取り入れた形。 ショートも安定するし、スマッシュ、ドライブのや りやすいオールラウンドな形だ。しかし、より自分の特長を強く出したいという入は角型や丸型を選ぶ傾向がある。

中国式ペンホルダーラケット

中国式ペンホルダーラケット
スワットカーボン CHN (TSP)

中国式ペンホルダーは日本式ペンホルダーより重くなるが、裏面にラバーを貼ることでバックハンドがしやすくなる。ペンホルダーの強力なフォアを残しつつ、バックハンドと両立できる。
また、グリップに引っ掛かりがないため、日本式ペンホルダーよりもグリップワークがやりやすいのも

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