表ソフト
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薬屋の釣り銭皿が発祥?表ソフトラバーとは。
卓球の表ソフトラバーは、粒を表面にしてゴムシートにスポンジを貼り合わせたものだ。ボールがラバ ーから離れるのが最も早く、スビードも出るが、 裏ソフトほどボールに回転がかからない。しかし、 相手の回転の影響も受けにくいという生質を持っていて、台のそばでプレーする速攻型に適している。
表面に粒のついたラバー(表ラバー)が特許をとったのは、今から約120年も前のこと。そのラバーを最初に考案したと言われているのが、イギリスのグーデ氏。彼は、卓球の試合にいく途中で薬局に立ち寄り、お金を支払うときに机の上にあった イボイボのゴムシート(お金を置くゴムシート)を見つけ、このシートも一緒に買った。そして、試合の前に自分の木のラケットに貼り、そのトーナメントで優勝したと言われている(TSP トピックス編 集部監修『スウェーデン卓球・最強の秘密』より)0 しかし世界に広まったのは、それから約20年後だった。日本では、スポンジラケット禁止後の1950年代後半から、ラバーにスポンジを貼ったソフトラバーの時代に入った。 1960年代には、61 ・63 ・65年世界男子団体3連勝を中国にもたらした選手たちが表ソフトラバーを使用し、前陣速攻卓球で世界を圧倒した。特に、前陣で徹底的に攻撃するスタイルは、現代攻撃卓球のーつの典型となっている。
表ソフトラバーは高弾性表ソフト、そして 中国選手などが使った回転系の表ソフトに大きく分けることができる。
球離れが早く、相手の回転を受けにくいラバ一である。
使用用具
- VO>102(バック)
表ソフトラバーの特徴は、二つある。
第一に、裏ソフトと比べると、相手の回転の影響を受けにくいこと。裏ソフトは回転に敏感ですが、 表ソフトはさほど敏感ではない。表面が平らなゴムシートの裏ソフトと、粒がボールに接触する表ソフトの違いだ。
第二の特徴は、ボールの球離れが早いこと。表面が粒の表ソフトは、シート状の裏ソフトよりも、ボールとの接触面積が少ない分、接触時間も短いということと、粒が小さい裏ソフトよりも、粒の大きい表ソフトのほうがボールを押し返す力が強いために、それが球離れの早さにつながっている。表ソフトは大きく分けると、
①スピード系
②スピン系
③ナックル系
上記の3 種類に分けられる。
①スピード系の表ソフトラバーは、粒のゴムが硬く、コシのあるゴム質。『スペクトル』や『スペクトルスピード』 がここに属す。
②スピン系表ソフトラバーは、粒はスピード系より柔らかく、ボールがラバーに食い込み、自分から回転をかけることができる。『スーパースピンピップス』、『VO>102』が当てはまる。
③ナックル系表ソフトラバーは、表ソフトの特徴をスピードやスピンではなく、ナックルボール(無回転)という変化球に絞って開発された表ソフト。ナックルの攻撃球、ショート、カットを生かすために、ゴムシート、粒を柔らかくし、コシのない粒にして、スポンジも柔らかいものを使用。『ミリタルⅡ』や『VO>101』が挙げられる。