動画で学ぶ、勝つためのサーブ-後編-
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卓球においてサーブとは『要』といっても過言ではないほど重要な技術。
サーブができなければ試合は始まらないし、サーブがうまければ試合を優位に運ぶことができる超重要技術だ。
ここではVICTAS契約選手のサーブ技術を参考に『勝つためのサーブ』を紹介していく。
今回は『ロングサーブ』と『横回転系サーブ』。
トップ選手のプレーからサーブのコツをつかんで、実践してみよう!
その4:ロングサーブをマスターしよう!
その1でも紹介したが、サーブの長さの出し分けができることで戦術が組み立てやすくなるだけでなく、同じ回転のサーブでも相手の裏を突くことが可能になる。
ショートサーブとうまく組み合わせればより効果を発揮するのでぜひマスターしよう。
吉村選手、松平選手のプレーからポイントをチェックしよう。
吉村選手の縦回転ロングサーブ
解説とポイント
できるだけショートサーブに見えるようにスイングは小さくし、モーションを工夫することがポイント。
その上で、ショートサーブを出す時よりも少し力を加えながら、自分のコートのエンドライン付近に1バウンド目を落とすように心がけよう。
松平選手のスピードロングサーブ
解説とポイント
フォームはコンパクトにすることを意識するが、体全体を使ってサーブを出すことで威力を持たせている。
インパクトの高さを低くすることを意識しているので、バウンドが低く台を滑るようにボールが行き、相手にチャンスを与えないサーブを出すことができる。
また、このロングサーブは相手のチキータを封じるためにも有効なサーブなのでぜひマスターしよう!
その5:横回転系サーブをマスターしよう!
横回転サーブは順横回転、横下回転、横上回転、逆横回転、YGサーブなどがある。
松平選手、丹羽選手、緒方選手のプレーからポイントをチェックしよう。
まずは順横回転から順番にマスターしていこう。
①順横回転
松平選手の順横回転サーブ
解説とポイント
3球目攻撃につなげるため、全身を使ってサーブを出し、その反動で素早く戻り体勢を整えよう。
また、全身を使ってサーブを出すことで、上半身だけで出すよりもサーブが安定するので、腕だけでなく身体をうまく使って出すことを心がけよう。
さらにサーブのインパクト後にフォロースルーをつけることで、相手に回転をわかりにくくする効果があるので意識するようにしよう。
②横下回転
丹羽選手の順横下回転サーブ
解説とポイント
グリップの力を抜き、ラケットを体のほうに引く力を利用して、勢いよくボールの斜め下をこする。
トリックモーションをいれることで、インパクト時のラケット角度を読みにくくする効果に加え、スイングスピードが速くなるためサーブの回転量が多くなるのがポイントだ。
松平選手の逆横回転サーブ
解説とポイント
松平選手のサーブはレシーバーにとって順横、真下、逆横のどの回転が来るのか、インパクトの直前までわかりにくいのが特長。インパクトの直前でまで順横回転系サーブと同じ構えにして、相手にサーブを読まれないように工夫することがポイントだ。
また、インパクト時はボールの外側をこすり、スイングスピードを速くすることでコンパクトなフォームで回転量の多いサーブを出すことができるので意識してみよう。
逆横回転を覚えたら、応用編にチャレンジ!
逆横下回転と逆横上回転を練習してみよう。
丹羽選手の逆横下回転
解説とポイント
丹羽選手のフォアの逆横下回転サーブはコンパクトなフォームで威力よりもコントロール重視ながら、ほぼ同じフォームから上回転系と下回転系が繰り出されているところがポイント。
相手に上回転系であると錯覚させるために、
- サーブのインパクト時はボールの下側をこすり、そのせいに上方向にすくい上げるうようなフォームで打球する
- インパクト後のフォロースルーを台の下に隠し、相手にインパクト時のラケット角度を見せにくくする
この2点を意識することでより分かりづらいサーブを出すことができるので練習してみよう。
丹羽選手の逆横上回転サーブ
解説とポイント
丹羽選手のフォアの逆横上回転サーブは、逆横下回転と同様に相手に回転を分かりづらくするための工夫が随所にみられる。
- バックスイングを取る際にラケット位置を高くする
これにより相手に上から下にラケットを振り下ろすカット性(下回転系)のサーブが来ると予測させることができる。
- ラケットを上から下に振り下ろす時にインパクトする
これも下回転サーブに見せるためのポイントでレシーブから強打されるのを防ぐことができる。
この2点を意識して練習してみよう。
③YGサーブ
緒方選手のYGサーブ フォア前
解説とポイント
YGサーブをフォア前に出すには、体を開く必要がある。ただしこの時に相手に分かられないように少しだけ体を開くことがポイントだ。
また体を開くことで、サーブの打球時に空間ができ、ストレート方向にボールが飛ぶようにスイングすることが可能になる。フォア前は最も短いコースなので、コントロールのためにコンパクトなスイングにすることが重要になる。
緒方選手のYGサーブ バック前
解説とポイント
短いYGサーブを出す時は、手首を使う一方でフォロースルーを大きくしすぎず、インパクト後にラケットを止めるように意識することで、サーブをコントロールしやすくなる。
また、短いサーブを出すには、第1バウンドをネットの近くに落とすことがポイント。さらに高さもネットのギリギリを通過させるようにコントロールすることが重要なので意識的に練習してみよう。
緒方選手のYGサーブ バックロング
解説とポイント
YGサーブは手首をしっかりと内側に入れて、その反動で強い回転をかけることが重要。内側に入れた手首を勢いよく返すことで回転量の多いYGサーブを出すことができる。
また、スピードのあるロングサーブにするためには、自分のコートの手前側にワンバウンド目を持ってくることとネットのギリギリの高さを通過させられるように、打球点をできるだけ落とすことがポイント。
サーブは卓球技術の中でも唯一相手に影響されず自由に打てる技術。
相手にわかりづらいサーブを出すのはもちろんのこと、自分のプレースタイルなどに合わせて自分に合ったサーブを見つけることが大切なので、様々な回転に挑戦し繰り返し練習しよう!