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動画で学ぶ、勝つためのレシーブ

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動画で学ぶ、勝つためのレシーブ

今回は『勝つためのレシーブ』を解説。
卓球ではレシーブもサーブと同じくらい重要な技術。サーブが返球できないとラリーにつなげることはできないし、甘いボールでレシーブをすれば相手に攻め込まれてしまう。
ここではVICTAS契約選手のレシーブ技術を参考に『勝つためのレシーブ』を紹介していく。
トップ選手のプレーからレシーブのコツをつかんで、試合に勝つためのレシーブをマスターしよう!

その1. チキータ

チキータとは近年発達した台上技術の一つ。
バックハンドフリックの進化版で、相手の短いサーブやストップレシーブに対して、台上で横回転や上回転をかけて攻撃をしかけるバックハンド打法の一つが「チキータ」。
現代卓球においては男女問わずチキータを使う選手が増え、試合に勝つために必要な技術になりつつある。
丹羽選手、吉村選手、緒方選手のプレーからポイントをチェックしよう。

まずは、緒方選手がチキータをマスターする際に行っていた多球練習でチキータの感覚を掴もう。

緒方選手のチキータの感覚を磨く多球練習

解説とポイント

ボールの頂点付近を捉えることでスピードのあるチキータを打つことができるため、しっかりと台に近づきながら台に体を入れて打球することが大切。
この多球練習はあくまで感覚をしっかりつかむためのもの。ミスを恐れず、内側に入れた手首を勢いよく返しながら、強く回転をかける意識でスイングしよう。

感覚をつかんだら次はそれぞれのコースやパターンに分けた練習をしてみよう。

丹羽選手のフォアストレートチキータ

解説とポイント

冒頭のコメントで本人も語っているが、丹羽選手の場合、相手のサーブの回転がわかりにくいときには、チキータを多用し自ら回転をかけることでレシーブを安定させている。
チキータではタメ(バックスイング)が大切。
ラケットヘッドが自分のウェア(内側)に当たるくらいまでタメを作りながらボールを懐まで引き付けることで、威力のあるチキータを打つことができる。
この時、焦って手を伸ばした状態で体の前方で打球すると、ボールに力が伝わらずミスの原因になったり、威力のないチキータになってしまうので注意しよう。
また、フォアストレートへのチキータはクロスに比べてコースが短いため、ゆっくりスイングして安全に入れに行きたくなりがち。しかし、ミスを恐れずにラケットを素早く振り抜くことでスイングスピードが上がり、ボールにスピンがかかり安定するので意識して練習しよう。

丹羽選手のフォアクロスチキータ

解説とポイント

チキータをフォアクロスに打つ時は、フォアストレートに打つ時よりも大きく回り込んで打球する必要がある。
そのためボールの落下点を予想し、動き出しを早くすることが重要だ。
また相手の回転の影響を受けにくくするため、ボールの真上ではなく、ボールの側面(斜め上)を捉えることも意識しよう。

吉村選手のバック前チキータ

解説とポイント

チキータで強い回転をかけるためにはボールの場所に素早く動き、低い姿勢で目線をボールに近づけて打球することがポイントだ。
より安定して回転量のあるチキータをマスターするために上記のポイントに注意して練習しよう。

吉村選手のフォア前チキータ

解説とポイント

チキータレシーブが主流になったことで、強力なチキータを防ぐためにフォア前へサーブを出す頻度が高くなってきている。フォア前に来たサーブに対してもチキータができるようになることで、より攻撃的な卓球が可能になるため是非マスターしてほしい。
ポイントは、吉村選手のようにフォア側のサイドラインよりも右足が外側に出る位置まで大きく素早く動き、台の中に入り込んで打球すること。
動きに注意しながら練習してみよう。

緒方選手のバッククロスチキータ

解説とポイント

チキータレシーブでは体の正面で打球することが重要。
あらかじめ予測したコースに動き始めてしまっていたとしても、ボールをよく見てコースを判断した上で、足を動かし直し、体の位置を微調整する必要があるので意識しよう。
またバッククロスへチキータした後はバックに返球されやすいので、バック側へ素早く戻ることも練習のうちから実践しよう。

その2. フォアストップ

フォアストップしている選手の様子

チキータや攻撃をしかけようと狙っている相手に対して、特に有効になるのがストップ。低く回転のかかったストップを送ることができると、相手の攻撃を的確に防ぐことが可能なのでマスターしよう!

吉村選手のフォアストップ

解説とポイント

ストップのポイントは、なるべく打球点を早くすること。
打球点が遅くなってしまうとストップを低く、短く正確にコントロールすることが難しくなる。
また、打球点を早くすることによって、相手に与える時間も短くなるため、より効果的なレシーブになるといったメリットもある。

打球点の早い位置で打球することができるようになったら、打球の際にボールの下をこすって、下回転をかけ、切ったストップに挑戦しよう。

その3. バックストップ

バックストップはチキータなどのレシーブと同じ構えから混ぜて使用することでより効果を発揮する技術。
吉村選手のプレーからポイントをチェックしよう。

吉村選手のバックストップ

解説のポイント

バックハンドでのストップは、チキータができないと判断した際に使う技術としても有効な技術。相手の攻撃を防いで、次のボールに備えることが可能になる。
ポイントは、打球の位置が体から遠くならないよう、なるべく台のなかに足を踏み込んで打球点を早くとらえることだ。

その4. フリック

相手の攻撃を待つ様子

フリックは台上のボールに対して、フラット気味に弾いて打つ技術。
一言でフリックといったものの、ナックル気味に押し込むフリック、コースを突いて次の攻撃のチャンスメイクをするフリック、一発で決めに行くフリックなど様々な種類があるため非常に奥が深い技術。

最近では、台上のボールはチキータや台上バックドライブで攻撃するのが主流になっているが、フリックを習得すれば戦術の幅をさらに広げることができるぞ。

松平選手の決めにいく飛び込みフリック

解説とポイント

フォア前のチャンスボールをフリックする際には、バックサイドにも打てるよう、面をバック側に向けておいてからフォアに打球することで、相手にコースの的を絞らせなくすることが可能だ。
フォアクロスへの強打の後は、打球がフォア側にぬけておくことで、バックハンドが得意な選手はフリック後のボールをバックハンドで狙うこともできる。
浮いたストップなど、台上でチャンスボールが上がった際に、一発で決めに行くことができると相手にプレッシャーをかけることができ、試合を優位に進められるのでぜひ身につけよう。

トップ選手のレシーブ技術を各項目に分けて紹介したが、共通するポイントは『相手の攻撃を防ぐレシーブを心がける』ことだ。
相手の攻撃を防ぎ、自分の攻撃につなげるためにもレシーブを磨いて勝利を掴もう!

契約選手の使用用具

丹羽孝希選手の使用用具

吉村和弘選手の使用用具

松平賢ニ選手の使用用具

緒方遼太郎選手の使用用具