INTRODUCTION-KIHARA,Miyuu-【選手紹介・木原美悠編】
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プロフィール
木原美悠(きはらみゆう)。2004年8月3日生まれ。
兵庫県明石市出身で、元卓球選手で卓球教室「ALL STAR」を運営する指導者の父をもち、4歳でラケットを握る。小学2年生にして、13歳以下の全日本選手権カデットの部で3回戦まで勝ち上がるなど、幼少期からその才能を発揮している。
2011年、2012年のバンビの部での優勝を皮切りに、2014年のカブの部、2015年、2016年のホープスの部と、ホカバの各階級を制覇した。
また、小学生ながら2015年、2016年の全日本カデットの部13歳以下で連覇を果たした。
中学入学後も1年生ながら全国中学校卓球大会で優勝。2017年世界ジュニア卓球選手権の団体では日本の銀メダルに貢献し、ダブルスでも3位に入賞した。
2019年1月の全日本卓球選手権大会では並み居る実力者を次々と破り、準優勝。男女通じて大会史上最年少の決勝進出を果たした。
さらに、2019年ITTFチャレンジ・クロアチアオープンでは単複2冠を達成。14歳278日での国際オープン大会2冠は史上最年少記録である。
活躍の舞台を世界に移し始めている注目の若手選手、次世代のニューヒロインだ。
木原美悠のプレースタイル
右シェーク攻撃型で、バック面に表ソフト(VO>102)を貼る速攻タイプ。
過去のインタビューでも「ほとんど緊張したことがない」と語っており、リスクを恐れない積極的なプレースタイルが特徴的な選手だ。
卓球台に近い位置(前陣)に張り付き、早い打球点から厳しいコースを狙う。変化の大きさよりも、スピードを重視したバックハンドが武器である。
フォア面にも威力重視のV>15 Extra(エキストラ)を用いることで、ドライブだけでなく現代の女子卓球に必須のミート打ちや高速スマッシュを得意としている。巻き込みサーブからの高速スマッシュが黄金パターンだ。
全日本選手権という大舞台でもまったく緊張を見せることがなく、14歳とは思えない戦いぶりで世間を騒がせた。その強心臓も相手選手にとっては脅威だろう。
動画でプレースタイルを確認
2019年の全日本選手権では、5回戦の平野美宇、準決勝での森さくらとの対戦では、その持ち味の積極的なプレースタイルが火を噴き、得点を重ねた。そういった積極的な戦い方のみならず、準々決勝のカット型の佐藤瞳との対戦では、「促進ルール」をうまく利用しながら、相手のミスを待つなど、戦略的なプレーもできる。まさに才能あふれる14歳だ。
2019年の全日本での、木原の名プレーを3つ紹介する。
まずは5回戦の平野美宇戦でのラリー。
ゲームカウント3-1の4-3リードという大事な場面でレシーブの木原は、フォアストレートへのフリックを選択。鋭いコースに入ったレシーブがチャンスを作り、空いたバック側をすかさず攻め込む。なんとか返球してきた相手に対して、横回転が入って逃げていくストレートへのバックハンドで得点をした。この1本は勝負を分けたラリーのひとつだろう。
続いては準々決勝の佐藤瞳戦でのマッチポイント。
レシーブでマッチポイントを迎えた木原は、クレバーにミスをせず守り切る戦術を選んだ。落ち着いてツッツキとブロックで返球し、最後には相手のミスをきちんと誘った。この勝利には本人も「佐藤さんはカットマンなので、あんまりミスしない相手。なので、それよりも自分が粘るというか最後まで我慢して戦うというのを意識してました」と語り、技だけでない高い水準のメンタル、戦術面も持ち合わせていることをうかがわせた。
最後は決勝戦での1シーン。
相手は前年度女王の伊藤美誠。大会史上最年少での決勝進出を果たした木原に、関係者や卓球ファンの目線は釘付けだった。その1本目のラリー、木原はサーブから得意のバックハンドでの3球目攻撃に成功。チャンスを作り、5球目をストレートに回すと、相手のドライブをフルスイングのカウンタースマッシュでクロスに打ち抜いた。このプレーには、会場からは大きな拍手が送られた。
木原美悠の使用用具
ラケットにはFire Fall VC(ファイヤーフォール)を、フォア面のラバーにはV>15Extra(エキストラ)を、バック面のラバーにはVO>102を用いている。
「小学生まではドライブが全然できなくてフォアは合わせるだけだったんですけど、このラバーを使ってからドライブとスマッシュを両方使えるようになったし、威力も出るようになりました」と、フォア面のV>15Extraを評価。
さらに、バック面のVO>102にも「自分は結構スピード重視の卓球なんですけど、ラケットは軽くて打球感が良いもの、バックに貼っている表ソフトは変化の大きさよりも自分が扱いやすいものを重視して選んでいます。今のラバーはスピードと回転の両方が使えてバック対バックはほとんど負けない。とても速いスピードが出るのがいいですね」と、世界で戦うための武器として厚い信頼を寄せている。