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INTRODUCTIONーKAZUHIRO YOSHIMURA-【選手紹介・吉村和弘編】

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試合をしている吉村和弘選手

プロフィール

試合をしている吉村和弘選手

吉村和弘(よしむらかずひろ)。1996年7月28日生まれ。

茨城県那珂郡東海村出身で、リオ五輪団体銀メダリストの吉村真晴(よしむらまはる)を兄にもつ。4歳でラケットを握ると、父の厳しい指導のもとメキメキと力をつけ、兄と同じく野田学園高校から愛知工業大学に進学し、実業団・東京アートの門を叩いた。

2014年に全日本卓球選手権ジュニアの部で初めての全国優勝を成し遂げると、2015年には愛知工業大学から日本リーグにも参戦。5戦5勝と堂々の戦いぶりを見せ、チームの前期1位に貢献した。その後のインカレ(団体戦)でも貴重な勝ち星をあげ、チームの優勝に貢献するなど、団体戦での強さにも定評がある。

そして2017年の全日本選手権では、笠原弘光や上田仁、吉田海偉といった社会人の強豪を立て続けに破る快進撃で、ついには決勝進出。水谷隼には一歩及ばなかったが、全日本の舞台で準優勝という輝かしい成績を残した。

続く2017年の地元茨城で開催された、第26回日本卓球リーグ・ビッグトーナメント茨城大会でも優勝を果たし、獲得タイトルを増やした。

試合をしている吉村和弘選手

さらには2018年ITTFワールドツアー・香港オープンの男子シングルスで優勝し、国際大会のタイトルも手中に。この成績が評価され、2019年世界選手権・個人戦(ブダペスト大会)の代表にも選出された。

2018年には、「10月の全日学では緊張して食事も喉を通らない程だったので、その反省を活かして全日学選抜に挑むことができました」と語るほどにプレッシャーのかかる中で戦った、全日学選抜でも優勝を果たし、悲願の学生タイトルも獲得した。

2019年からは社会人となり、実業団の東京アートで「世界で勝つために」腕を磨いている。

吉村和弘のプレースタイル

試合をしている吉村和弘選手

右シェーク・裏裏(両面V>15 Extra)の攻撃型で、強力なバックハンドが持ち味。前でよし、下がってもよし、どんな距離からでも威力のあるボールがバックハンドから放たれる様は圧巻である。

YGサーブからのバックハンドや、チキータからのバックハンドなど、国際的にも主流になってきている戦い方を得意としている。バックハンドを恐れて、相手がフォアを攻めてきたところから繰り出されるフォアハンドカウンターも強みのひとつだ。

対戦相手にとって最も脅威なのが、台から少し離れた位置から放たれる強力なバックハンドでの引き返し。やっとの思いで台から下げたと思いきや、瞬時に逆襲されてしまうため、ボールが地面につくまで気を抜くことができない。

このプレースタイルに磨きをかけ、中国の林高遠を破るなど成長の波に乗っている。

動画でプレースタイルを確認

2019年の世界選手権、南米の天才と称されるカルデラノ(ブラジル)との対戦でも、持ち味が発揮された。その際の好プレーを3つご紹介する。

まずは得点力の高いチキータから。試合の序盤からも思い切ったスイングができるところが強みになっており、世界でも恐れられている。
(動画:4分38秒~)

動画:テレビ東京

続いて2つ目はバックハンドでの3球目、5球目の連続攻撃。しっかりと回転をかけて3球目を打ち、相手が合わせるだけになったところを鋭いコースに振り抜いて見せた。この威力は世界トップクラスである。
(動画:9分08秒~)

動画:テレビ東京

最後は、ゲームカウント1-2の10-10という場面で見せたフォアハンドの連続攻撃。バックハンドだけではなく、決定力の高いフォアハンドをすばやく前後左右に動きながら連続で打つ姿は圧巻だ。
(動画:45分38秒~)

動画:テレビ東京

このフォアハンドがあるが故に、相手のボールを自然と得意のバックハンドに集めることができるのが最大の強みである。

吉村和弘の使用用具

試合をしている吉村和弘選手

ラケットはQUARTET AFC(カルテット)を、ラバーは両面にV>15 Extra(エキストラ)を使用している。

ラケットのQUARTET AFCについては、「コントロール性の高さと、安定性に使いやすさを感じています」と安定感を絶賛。「弧線的な弾道だけでなく、直線的な弾道をつくることもできるので試合で相手のボールに合わせながら弾道を変えられるところが印象的ですね。ドライブのコントロールが非常にしやすく、台上技術も安定するところが使いやすいと思います」と、試合の中での柔軟さも評価している。

ラバーについても、「この一年は格上とも競ることができているし、世界ランキングも上がってきています。使ってすぐは練習相手もボールが飛んでこないと言っていました。でも打ち方がわかってから、ボールの伸びが変わりました。チキータでも台についてから伸びるし、回転量も上がってます。自分の武器がさらに強くなったという実感があります。『V>15』は硬いラバーなので、早い打球点をとらえて、相手のボールを利用するように打ちます。しっかり体勢を作ることを意識するので、練習の質も上がります。『V>15』が僕のレベルを高めてくれました」と語った。

ビックトーナメント優勝、ITTFワールドツアー香港オープン優勝、2019年世界選手権出場と、ラバー変更後、国内外問わず好成績を残している。