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【2023年全日本卓球選手権】今年のジュニア王者は萩原啓至と張本美和。小塩悠菜は準V

更新日

ジュニア男子決勝

  1. 萩原啓至(愛工大名電高) 6、ー7、10、ー6、10 松島輝空(木下アカデミー)

ジュニア女子決勝

  1. 張本美和(木下アカデミー) ー9、10、3、4 小塩悠菜(星槎中)

今大会のジュニア王者は、萩原啓至と張本美和!

萩原は松島と激しい打撃戦を展開。回転量と両ハンドの安定性にまさる松島に、目にも留まらぬ回り込みからのカウンタードライブで挑みかかった萩原。3ゲーム目の11ー10で、劣勢だったバック対バックのラリーで打ち切って大きくガッツポーズ。ゲームカウント2ー1とリードするも、3回目の決勝進出で悲願の初優勝を目指す松島も食い下がり、勝負は運命の5ゲーム目へともつれ込む。

最終ゲームはスコアの離れないシーソーゲーム。9ー9の場面で、萩原の回り込みを察した松島がフォアへのチキータで鮮やかに打ち抜き、10ー9でチャンピオンシップポイント。しかし、萩原も決死のフォアドライブ3連打で10ー10に追いつき、逆に11ー10とチャンピオンシップポイントを取り返す。

このシビれる場面で、萩原は伝家の宝刀を抜いた。サービスから回り込み、驚異的に打球点の早いフォアのカウンタードライブ。松島の堅いバックの守りを打ち抜き、その場で大の字に倒れ込んだ。ベンチの今枝一郎監督と歓喜の抱擁を交わし、カメラマンに取り囲まれる萩原と、ベンチで一歩も動けない松島。勝者と敗者の明暗はくっきりと分かれた。昨夏のインターハイダブルスを制した萩原だが、うれしい全国タイトル獲得となった。

萩原啓至の優勝会見

大会前からずっと優勝を目標にしていたので、最後の年に優勝できてうれしい。プレーよりもメンタル面で相手を上回れたのが良かったと思います。2歳年下でも松島のほうが実力は上なので、向かっていく気持ちでした。最後の1本は『やるしかない』と思って打ち込みました

試合でプレイする萩原啓至選手
ジュニア決勝の大舞台で、恐るべき勝負度胸を見せた萩原啓至がうれしい全国タイトル
うつむき加減の松島輝空選手
松島輝空、三度目の決勝で三たび敗れる。この苦境を乗り越えてほしい

一方、ジュニア女子決勝は張本と小塩の中学2年生対決。優勝候補筆頭の張本から、小塩が1ゲームを先取する。フォア表ソフトの強打に張本のバックハンドがミスになる展開が多く、台上でも小塩が優位に立った。2ゲーム目も張本10ー8のゲームポイントから小塩が10ー10に追いつき、このゲームを取って2ー0にすると勝利に大きく近づく場面だったが、張本が12ー10で踏ん張る。

3ゲーム目以降は張本がバック対バックで優位に立ち、中盤で大きくリードを広げる展開。準決勝を不戦勝で勝ち上がった張本と、姉・遥菜との激戦を制した小塩との体力の差もあっただろう。小塩は惜しくも敗れて準優勝となったが、独特なプレースタイルで中学2年での決勝進出は見事な成績だ。

小塩悠菜・決勝後の会見

姉(遥菜)との準決勝は、練習試合でも公式戦でも対戦したことがなくて、初めての試合で勝てて良かった。今大会では技術面はバックを練習してきて、前よりはうまくなっているのかなと思いました。張本選手からは久しぶりに1ゲームを取ることができたけど、取れそうだった2ゲーム目を落として負けてしまったのは悔しいです

試合でプレイする張本美和選手
中学2年生対決を制した張本美和が、昨年決勝で敗れたジュニアで初優勝
相手のボールを打ち返す小塩悠菜選手
小塩悠菜、惜しくも準優勝となったが、充実のジュニアでの戦いを終えた