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【2023年全日本卓球選手権】女子シングルス6回戦、女王・伊藤美誠がまさかの敗戦。木原美悠は5大会連続のベスト8進出

更新日

女子シングルス6回戦

  1. 横井咲桜(四天王寺高) 7、9、7、-9、9 伊藤美誠(スターツ)
  2. 出雲美空(サンリツ) 9、7、-13、-8、8、-1、8 長﨑美柚(木下グループ)
  3. 鈴木李茄(トップおとめピンポンズ名古屋)  11、3、-7、5、10 皆川優香(大阪成蹊大)
  4. 木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎) 2、6、-3、7、4 橋本帆乃香(ミキハウス)
  5. 石川佳純(全農) -6、4、-7、-5、11、11、8 加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部)
  6. 佐藤瞳(ミキハウス) -9、3、8、4、6 安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)
  7. 平野美宇(木下グループ) -5、10、-10、9、16、10 大藤沙月(四天王寺高)
  8. 早田ひな(日本生命) 9、12、-6、4、10 張本美和(木下アカデミー)

女子シングルス6回戦、前回優勝の女王・伊藤美誠が横井咲桜に1ー4で敗れ、まさかの6回戦敗退!

横井が在籍する四天王寺高には、先輩・後輩に表ソフトを使用する異質型の選手が多く、表ソフトのナックルを交えた球質の変化には慣れている。横井は誰もが手こずる伊藤の変化サービスを確実にレシーブし、バック対バックでも伊藤のバック表ソフトのボールにミスがなく、機を見てバックドライブでストレートを打ち抜いた。
横井は試合後、「自分が一番驚いているというか、本当にうれしい気持ちでいっぱい。自分が振り回されると不利になってしまうので、できるだけ相手の嫌なところを突いてチャンスを作りたかった」と初々しく語った。

横井咲桜選手が試合をする様子
伊藤美誠のバック表ソフトの変化を苦にしなかった横井咲桜

一方の伊藤は、「横井選手とは初めての対戦。思った以上に結構振ってくるタイプで、思い切って攻められた。頭は冴えていたけど、相手のほうが挑戦者としての思い切りの良さがあった」とコメント。台上でのフォア強打のミスなど、普段の伊藤には珍しいミスが多く、なかなかペースがつかめなかった。

ラケットを見つめる伊藤選手
伊藤美誠のまさかの敗戦は、この全日本選手権で挑戦者に徹することの難しさを感じさせた

昨年準優勝の早田は、張本に対して2ゲーム目に5ー10のビハインドから逆転したことが大きく、ハイトスサービスからの回転量の多い両ハンドドライブで4ー1で勝利。過去5回優勝の石川佳純は、昨年この6回戦で敗れた加藤美優に対し、5・6ゲーム目にともに9ー10で2回のマッチポイントを奪われながら、逆転勝ちを収めた。

そして前回ベスト4の木原美悠は、女子ダブルス準々決勝で敗れたカットの橋本に「リベンジ」の勝利。バック面の表ソフトでのツッツキやストップを使い、橋本を前後に揺さぶり、フォアのパワードライブを橋本のフォアサイドに集めた。「シングルスとダブルスでは戦術がぜんぜん違うし、切り替えて戦うことができました」と試合後のコメント。

リモート会見の最後にシングルスへの意気込みを改めて尋ねられ、「自分の中での大きな目標は、2024年パリ五輪に出てメダルを取ること。その一歩手前に全日本選手権や世界選手権という大きな大会があるので、まずそこで良い結果を残して、オリンピックに順調に行けたらいい」と語った木原。バック表ソフトの異質型は好不調の波が大きくなりやすいが、これで全日本の女子シングルスでは5大会連続の準々決勝進出と抜群の安定感を見せている。明日の準々決勝では、左腕の鈴木李茄と対戦する。

木原選手が試合をする様子
カットの橋本帆乃香を破り、女子ダブルス準々決勝のリベンジを果たした木原美悠
会場で試合する様子
安藤みなみは佐藤瞳に敗れる。カットに強い安藤の前後の揺さぶり、フォア強打を佐藤がしのぎ切った