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【2023年全日本卓球選手権】女子シングルス、木原美悠は惜しくも準優勝。優勝の早田ひなが3冠を達成

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女子シングルス決勝

早田ひな(日本生命) ー9、ー11、5、8、7、10 木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)

女子シングルス優勝は早田ひな、女子ダブルス・混合ダブルスに続く3冠を達成。木原美悠は惜しくも準優勝!

1ゲーム目から、バック表ソフトの木原のバックサイドにロングサービスを集め、持ち上げさせて強打を狙う早田、一方の木原はバック表ソフトのブロックで変化をつけながら、機を見て回り込みからレシーブ強打を決める。木原の左右に曲がる表ソフトのバックブロックは、早田に対しても有効だった。サービスミスが2本出た木原だが、思い切りの良いフォアスマッシュも決まり、10ー9からネットインで11ー9とゲームを奪取。2ゲーム目は終盤まで早田がリードしながら、木原がバック強打でのレシーブエースなど好プレーを連発。12ー11からサービスエースで2ゲームを連取する。

相手のボールを打ち返す木原選手
競り合いながらも早田から2ゲームを先取した随所に好ラリーを展開した

しかし、早田はここから開き直ったかのようなプレー。ラリーになると回転量の多いフォアドライブでプレッシャーをかけ、木原より1本多く返していく。木原が先手を取り、ミドルを突いたラリーでもフットワークとボディワークを駆使し、何本でも返球。最後に木原にミスが出る場面が多くなり、早田が3ゲーム目を11ー5で奪う。4ゲーム目も出足で木原が3ー0でリードしながら、早田がわずかに台から出るサービスも見逃さずにドライブでレシーブしてプレッシャーをかけ、11ー8で連取。ゲームカウント2ー2に戻す。

5ゲーム目以降、早田はサービスを木原のバックへのロングサービスから、フォアサイドへの台から出るかどうかというハーフロングサービスに切り替え、有利な形でラリー戦に持ち込む。このサービスをフォアでレシーブするのに苦しんでいた木原は、試合の終盤はバックハンドでのレシーブに切り替えて対抗。随所に観客をどよめかせる、ハイレベルなラリーが展開された。

早田がゲームカウント3ー2と逆転した6ゲーム目、シーソーゲームの展開の中で早田が10ー8でチャンピオンシップポイント。木原も10ー10まで追いつくが、最後は11ー10での早田の3回目のチャンピオンシップポイントで、回り込んだ木原のフォア強打がわずかにコートを外れた。

試合後の優勝インタビューで、「3ゲーム目から、メンタル的には一度負けたと思って、そこから挑戦する気持ちで試合に入っていきました」と語った早田。そこまで早田を追い詰めた木原はさすがだったが、早田は豊富な経験でメンタルを切り替え、その挑戦を退けた。

皇后杯を笑顔で持つ早田選手
3冠を達成した早田ひなは、皇后杯を手に笑顔を見せた