【2023全日本卓球選手権】全日本の女子シングルスは今年もハイレベル。 黄金世代と新世代が激突する!
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世界選手権の団体戦では4大会連続で決勝に進出している日本女子。有望な若手選手が次々に育ち、ライバルチームとの差を確実に広げながら、中国への挑戦を続けている。全日本選手権の女子シングルスも、そのレベルは確実に上昇。スーパーシードの顔ぶれを見ても、多彩なプレースタイルとレベルの高さに驚かされる。
優勝戦線をリードするのは、前回大会の決勝で対戦した伊藤美誠(スターツ)と早田ひな(日本生命)。ペアを組むダブルスで史上初の5連覇に挑むふたりは、シングルスでは世界ランキングのトップ10圏内でしのぎを削るライバル。前回は早田が準決勝の加藤美優(吉祥寺卓球倶楽部)戦で体力を消耗し、伊藤が常に主導権を握って3回目の優勝を飾った。
早田としてはできるだけ体力を温存して勝ち上がりたいところだが、6回戦で芝田沙季(ミキハウス)と張本美和(木下アカデミー)の勝者と対戦し、準々決勝では平野美宇(木下グループ)と当たる厳しい組み合わせ。伊藤もまた、昨年3月のライオンカップトップ32で敗れた長﨑美柚(木下グループ)と準々決勝で相まみえる。
伊藤・早田に対抗する一番手となるのは、前回3位の木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)だ。昨年12月の世界ユース選手権・U-19(19歳以下)では2冠を達成。強力な変化サービスからの両ハンド攻撃はさらに威力と安定性を増し、苦手なプレースタイルもない。前回大会では準決勝進出を果たしながら、発熱によって悔しい棄権となったが、高校生活最後の全日本選手権で二度目の決勝進出、そして初の頂点を狙う。伊藤・早田・平野の「黄金世代」と、木原・長﨑らの新世代の激突が、どのような結末を迎えるのか?
また、女子の出場選手では最多となる、過去5回の優勝を誇る石川佳純(全農)も優勝する力は十分にある。5回戦の対戦相手は、変化カットから鋭い攻撃を繰り出す小塩遥菜(JOCエリートアカデミー/星槎)。相手のパワードライブを後陣から打ち返す小塩のカウンターは驚異的で、会場を大いに沸かせるだろう。
男子ではほとんど見られなくなった、両面に違うタイプのラバーを貼る「異質型」が多いのが女子シングルスの見どころのひとつ。その中でも、バック面の変化系表ソフトでチャンスを作り、強烈なフォアスマッシュを見舞う安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)は表彰台を狙える力がある。フォア面表ソフト・バック面粒高という特異なスタイルで全日本学生2位の出澤杏佳(専修大)、サンリツのポイントゲッターとして活躍する出雲美空らもひと波乱起こせる実力者だ。