【2023年全日本卓球選手権】男子の大会最年少、小学5年生の小林右京。高校生に敗れるもその才気を見せつける

小学5年生プレーヤーが4人出場した、今大会のジュニア男子。その中で最年少であり、全種目を通じて男子の大会最年少プレーヤーである小林右京が丸川智弘（野田学園高）と大熱戦を展開した。

下回転サービスで2本連続のサービスエースを奪うなど、サービス・レシーブでしっかり先手を取り、小学5年生とは思えない威力ある両ハンドを打ち込んだ小林。コース取りもうまく、ストレートへの決定打を何本も決めていた。

ゲームカウント2ｰ1とリードした4ゲーム目、8ｰ9の丸川のタイムアウトから2点を連取してマッチポイントも奪った小林。惜しくも再逆転を許し、5ゲーム目も序盤のリードを生かし切れず、丸川に意地を見せられた形だが、その才気は東京体育館のコートに存分に薫（かお）っていた。来年はベスト16も狙える逸材だろう。

「大会最年少だと自分でもわかっていたけど、あまりそれは意識せず、プレッシャーもなく、ただ格上の相手に向かっていくだけでした。小学生とは違って1球の威力がすごくあるので、いかに自分から連続で攻められるかが勝利へのカギだと思っていた」と試合後に語った小林。メディアへの対応も物怖じせず、堂々としていた。「練習は1日に3〜4時間くらい、長い時は6時間くらいやります。次の目標は東アジアホープスの選考会を通過すること。将来はみんなから憧れられる選手になりたいです」（小林）

　大野颯真・斗真の大野兄弟は、今大会でジュニアに初の揃い踏み。斗真が高校生プレーヤーを破り、うれしいジュニア初勝利を挙げたが、颯真は惜しくも勝利ならず。「ミスをしたくないという気持ちから、自信をなくしていってしまった。斗真には勝ててよかったねと伝えたい。これからレシーブをもっと思い切ってできるようにしたい」と試合後に語った。木方三兄弟の三男・瑛介も高校生から1ゲームを奪う健闘を見せたが、勝利はならなかった。