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全日本社会人、男女複は平野友樹/松山祐季と松平志穂/有延優希がV

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ダブルスの選手

(上写真)女子ダブルス決勝での松平/有延ペアの優勝の瞬間

 山梨県甲府市の緑が丘スポーツ公園体育館で開催中の全日本社会人選手権。昨年はコロナ禍のために中止となったが、今年で55回目を迎える伝統の大会で、男女ダブルスのチャンピオンが決定した。メダリストは下記のとおり。

男子ダブルス

優勝:平野友樹/松山祐季(協和キリン)
準優勝:田添健汰/大島祐哉(木下グループ)
3位:藤村友也/松下海輝(日鉄物流ブレイザーズ)、上田仁/神巧也(T.T彩たま)

女子ダブルス

優勝:松平志穂/有延優希(サンリツ)
準優勝:森田彩音/野村萌(デンソー)
3位:馬克/小畑美月(デンソー)、宋恵佳/成本綾海(中国電力)

男子ダブルス決勝は、準決勝で優勝候補の上田/神(T.T彩たま)にゲームカウント0−2から逆転勝ちした平野/松山と、準々決勝で皆川/平野(日野自動車キングフィッシャーズ)との激戦を制した田添/大島の対戦。互いに敗戦の瀬戸際から勝ち上がってきただけに、両ペアとも最後まで粘り強いプレーを見せた。

平野/松山がゲームカウント2−0とリードし、3ゲーム目の10−7で迎えたチャンピオンシップポイント。さらに4ゲーム目も10−9、11−10。平野/松山は「あと1本」が遠く、計5回のマッチポイントを決められない。最終ゲームも7−3のリードから7−7に追いつかれ、嫌な流れになったが、ここで平野がバックストレート、フォアクロスへあまりに鮮やかなカウンタードライブ。

「普段は松山が思い切ってプレーする分、自分は正確にプレーして、松山が緊張するような場面では自分が思い切って攻めるという気持ちでした」という平野。先輩の貫禄を見せ、ゲームオール11−9の劇的な勝利。その瞬間、大島はフロアに倒れ込み、しばらく起き上がることができなかった。勝利への飽くなき執念が激突した、大会史に残る一戦となった。

試合の様子
男子ダブルス優勝は平野友樹/松山祐季の「Wユウキ」ペア
表彰式
協和キリンの先輩・後輩ペアが理想的なコンビネーションを見せた
倒れながらも相手のボールを打ち返す様子
最後の一本まで勝利の執念を見せた田添(右)/大島

女子ダブルスも上位ラウンドはゲームオールの熱戦が続いた。どのペアが優勝してもおかしくない「戦国時代」を制したのは、サンリツの松平/有延(旧姓:松本)。ダブルスのスペシャリスト、左腕・有延が巧みなコース取りを見せ、松平が必殺のフォアストレートを炸裂させた。一撃の威力は若手ペアに及ばないが、中陣に下げられても粘り強く、緩急をつけて戦った。

優勝の瞬間、笑顔でハイタッチを交わした松平/有延。惜しくも敗れた森田/野村も、ナイスラリーには何度も笑顔がのぞいた。互いに悔いなし、互いに持てる力を出し尽くした一戦だった。

表彰式の様子
松平(左)/有延が笑顔の優勝を飾った
試合の様子
デンソーのフレッシュペア、森田(右)/野村は惜しくも準優勝