全日本社会人シングルスは上田仁と長崎美柚が優勝
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山梨・緑が丘スポーツ公園体育館で行われていた第55回全日本社会人選手権は大会最終日を迎え、男子シングルスは上田仁(T.T彩たま)、女子シングルスは長崎美柚(日本生命)の優勝で幕を閉じた。最終日に行われた男女シングルス準々決勝〜決勝の結果は下記のとおり。
男子シングルス
準々決勝
英田理志(愛媛県競対) 9、−6、11、8、−8、8 松山祐季(協和キリン)
大島祐哉(木下グループ) 7、4、4、8 笠原弘光(シチズン時計)
郡山北斗(リコー) −6、8、−7、8、9、9 町飛鳥(ファースト)
上田仁(T.T彩たま) −9、10、5、−8、7、6 小西海偉(東京アート)
準決勝
上田仁 −9、10、5、−8、7、6 郡山北斗
大島祐哉 5、−10、−14、7、7、1 英田理志
決勝
上田仁 7、−11、9、4、9 大島祐哉
男子シングルス優勝の上田仁は、協和キリン時代に出場した2015〜2017年大会で3連覇しており、2018・2019年大会は欠場、2020年はコロナ禍のために開催中止。4年ぶりに出場した全日本社会人で、変則ながら4連覇という記録を打ち立てた。
「ベスト8決定戦で対戦した(松平)賢二さんに圧倒的に相性が悪くて、公式戦で勝ったことがなかった。そこが一番のヤマ場でした。優勝しようと気負っていたらやられていたかもしれないけど、今回は自分の中で結果を意識せずに戦えたので、すごく落ち着いてプレーできた。Tリーグでなかなか思うような結果が出せない中、やってきたことが間違いではなかったと証明できましたし、今までの優勝とはひと味違う優勝ですね」(上田)
決勝の大島戦は、右シェークドライブ型の本格派同士が激突したワールドクラスの一戦。大島のサービスが少しでもあまくなればレシーブからチキータとフォアドライブで攻め、ゲームの出足と終盤で集中力を高めて主導権を握った上田。台上の攻防でも大島のフォア前に正確なストップ、バック深くに打球タイミングの早いツッツキを送り、大島のパワードライブを封じた。「年を重ねてからできるプレーを模索している」という上田、まだまだ日本代表でもプレーできる選手だ。
女子シングルス
準々決勝
野村萌(デンソー) −7、5、−9、8、9、6 成本綾海(中国電力)
橋本帆乃香(ミキハウス) 6、5、5、3 宋恵佳(中国電力)
長崎美柚(日本生命) 6、3、4、2 高橋梓海(エクセディ)
鈴木李茄(昭和電工マテリアルズ) −7、7、−8、9、7、4 前瀧初音(愛媛銀行)
準決勝
橋本帆乃香 7、5、−7、3、6 野村萌
長崎美柚 6、7、11、5 鈴木李茄
決勝
長崎美柚 5、10、9、9 橋本帆乃香
女子シングルスは社会人1年目の長崎の強さが際立った。失ったゲームは5回戦の山本(十六銀行)戦の1ゲーム目、10−12のジュースで落とした1ゲームのみという圧倒的な内容。準々決勝で高橋、準決勝で鈴木との左腕対決を、バック対バックでの強さを生かして完勝し、決勝では「すごく好き」というカット打ちで優勝候補の橋本にストレート勝ちした。橋本のフォアサイドにうまくボールを集め、反撃の機会を与えなかった。
「アジア選手権が終わって日本に帰ってきて、アジア選手権では『もうちょっと頑張れたな』という反省があったので、社会人では焦らず自分のペースで、自分の卓球を取り戻せるように調整してきました。それが結果につながって良かったです。
Tリーグと世界選手権の選考会では橋本さんに負けてしまっていて、そこで腕をケガしてしまった。今回は技術面でも体の面でもしっかり準備をして、万全な状態なので絶対勝てると思って、自分を信じて戦ったことが勝因かなと思います。今回は平野美宇さんの平野卓研で練習をさせてもらって、試合に向けて集中できる環境を整えていただいた。チームメイトや今大会に帯同してくださった方々がたくさん力をくれて、その方々のために頑張りたいと思いながら戦えたことが大きかったです」(長崎)
決勝で敗れた橋本は「決勝は自分のやることがハッキリしなかった。序盤でリードしたゲームも最後は押し切られた。悔しい試合でした」とコメント