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日本勢に優勝のチャンスあり。ヒューストン大会はダブルスにも注目

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早田選手と伊藤選手ペアが試合をする様子

11月23〜29日に行われる世界卓球ヒューストン大会(個人戦)。男女シングルスに注目が集まるが、日本から強豪ペアがエントリーする男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスのダブルス3種目も見逃せない。2017年デュッセルドルフ大会では、混合ダブルスで吉村真晴/石川佳純が金メダルを獲得しており、今大会も頂点を狙えるペアがエントリーしている。

最大の注目は、女子ダブルスの伊藤美誠/早田ひな。17年大会は3位、前回の19年大会は不可解な判定に見舞われる不運もあり、孫穎莎/王曼ユにゲームカウント2−0から逆転負けを喫して準優勝となったが、確実に頂点への階段を上がっている。出発前の会見で伊藤が「今回は合宿でも毎日のようにダブルスの練習をさせてもらって、本当に『めっちゃ強い』です(笑)」と笑顔で語る万全の仕上がり。早田も「大事な場面でのあと一本をどうとるか、合宿ではすごく練習してきた。今は試合をするのが凄く楽しみです」と手応えを感じている。東京オリンピックの団体戦に向け、猛練習を積んだ石川佳純/平野美宇とともに、日本勢は「Wメダル」も夢ではない。

ただ、日本勢の女子ダブルスのシードは、石川/平野が第2シードとなっているのに対し、世界ランキングが低い伊藤/早田は16シードまでに入っていない。石川/平野や、中国の孫穎莎/王曼ユ、陳夢/銭天一に早いラウンドで当たってしまう可能性もあり、ドロー(組み合わせ抽選)もひとつのカギとなる。

伊藤美誠/早田ひなペア
19年世界選手権準優勝の伊藤美誠(右)/早田ひな
孫穎莎/王曼昱ペア
日本勢の前に立ちはだかる孫穎莎(右)/王曼昱

男子ダブルスは、アジア選手権優勝の戸上隼輔/宇田幸矢が第2シード。一方、張本智和/森薗政崇は16シードに入っておらず、こちらもドローが重要になりそうだ。戸上/宇田の爆発力は折り紙付きで、宇田は「メダルを狙える位置にいるとふたりで話しています。アジア選手権で良かった部分を世界卓球でも出していきたい」と語る。張本/森薗は、昨年3月のカタールオープンで馬龍/許シン(中国)とゲームオールの接戦。ダブルスのスペシャリストである森薗は「苦しい試合をふたりで乗り越え、大会中に自分たちのダブルスを作っていきたい」と前向きに語っている。

混合ダブルスは張本智和/早田ひな、宇田幸矢/芝田沙季がエントリー。いずれも「超攻撃的ペア」と言えるペアリングだ。早田はアジア選手権で戸上とのペアで優勝しているが、パートナーの張本については「(相手の)レシーブが決まったコースにしか返ってこないくらいサービス力があるし、チキータも一発で決まる」と信頼のコメント。ふたりのプレーが噛み合えば、中国ペアを吹き飛ばすだけの攻撃力を備えている。

オリンピックの新種目として混合ダブルスが加わり、以前は混合ダブルスに若手選手をエントリーすることもあった中国も、王楚欽/孫穎莎と林高遠/王曼昱という「本気」のペアリング。東京オリンピックの混合ダブルス決勝では、水谷隼/伊藤美誠と許シン/劉詩ウェンの強打の応酬が話題を集めたが、今大会も負けず劣らず、レベルの高い戦いになりそうだ。