新生日本男子がポルトガルを破り、準決勝に進む。 明日の準決勝は中国とスウェーデンの勝者と対戦
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男子日本は準々決勝でポルトガルを3対1で破り、2大会ぶりのメダルを確定させた(銅メダル以上)。
日本は1番で戸上、2番で張本が勝って一気に試合を決めに行ったが、強豪のポルトガルも意地を見せて、3番の及川をモンテイロが下す。張本はここでひるまず、フレイタスを3-1で破ると、コートに駆け寄ってきたチームメイトと抱き合って勝利を噛み締めた。
男子決勝トーナメント準々決勝
〈日本 3-0 ポルトガル〉
◯戸上 -8、6、4、7 フレイタス
◯張本 8、5、6 ジェラルド
及川 -6、5、9、-9、-8 モンテイロ◯
◯張本 -7、7、4、3 フレイタス
トップは今大会で対戦チームのエースをことごとく打ち砕いてきた戸上。この試合でもリオ五輪ベスト8の実績を持つフレイタスに対して、スタートから打球点の早い両ハンドドライブを打っていく。戸上は1ゲーム目こそ落としたが、2ゲーム目になると戸上はフレイタスのサービスをチキータできるようになり、ラリー戦でも負けなくなる。戸上の速い動きから放つ超高速両ハンドドライブにフレイタスは手も足も出なくなってしまった。
2番の張本は、今大会で勝ち星を重ねて勢いのあるジェラルドと対戦。張本が攻め続ける一方的な展開が続き、ジェラルドは何もできなかった。張本の強さだけが際立った試合だった。
3番の及川とモンテイロの試合は、お互いが力を出し合う打撃戦に。勝負は最終ゲームまでもつれたが、最後はモンテイロが後陣からしのいだフィッシュがエッジで入り、ゲームセット。ポルトガルが1点を返した。
4番は張本対フレイタス。1ゲーム目は張本が攻めて5-3とリードするが、横入れレシーブをミスすると流れが変わる。最後は7-11でフレイタスが先取する。嫌なムードを断ち切ったのは、張本の強気の攻めだ。フレイタスのサービスをチキータで狙えるようになると、ライジングの超絶両ハンドが炸裂する。2ゲーム目からは張本が攻め続ける展開が続き、めったに試合を諦めることがないフレイタスの目から覇気が消えていった。
自らの勝利で準々決勝の壁を破り、銅メダル以上を決めた張本は、4年前の悔しさを果たし、両手を天高く上げた。
以下は試合後の田勢監督の言葉。
「1番は今の戸上の出来なら、レシーブさえできればと思っていた。サービスからの得点は大丈夫だと思っていたので、レシーブがポイントでした。1ゲーム目終わって、レシーブミスはYGに対する1本だけだったので、「そんなに大事にいかなくていいよ」と。ツッツキでもチキータでも好きにしていいよと言ったら、チキータからどんどん攻めていけた。打ち合いではこちらのほうが有利でしたから。良い試合をしてくれましたね。
張本は初めて対戦する相手だったので、怖いところはあった。左が3人というのは少し嫌でしたけど、レシーブも悪くなかった。戸上が作った流れに乗って、良い仕事をしてくれました。
3番の及川も1ゲーム目は大事にいきすぎて、短いレシーブばかりだったので、2ゲーム目からは長くレシーブしてもいいよ、チキータしてもいいよと。2ー1の6ー6、8ー8でのサービスでしっかり取れていれば違ったと思いますけど、少し緊張してしまったところはある。でも悪い試合ではなかったので、4番の智和につながったと思います。
智和は世界卓球でのメダルを取ったことがないので、メダルが欲しいという気持ちが1ゲーム目は表に出過ぎて抑えきれない感じでしたけど、ベンチで一つひとつのプレーを丁寧にやること、1本1本やることを伝えた。彼の技術力なら問題ないだろうと思っていましたから。サービスで得点できていたから、うまくゲームを進めることができたと思います。
明日の準決勝は中国と対戦することになると思いますが、あとギアを2つ3つ上げていきたい。でも初出場が3人というメンバー構成で、これだけの試合をやってメダル獲得を決めてくれたことは、選手たちを褒めてあげたい。中国と対戦することになったら、それをネガティブにとらえず、挑戦していってほしい。サービス・レシーブでは無理はしなくていいけれど、常に前向きな気持を持って勝負してほしいと思います」