1971年大会以来の世界選手権団体戦優勝を狙った日本女子は決勝で中国に敗れ、4大会連続の準優勝。中国は地元開催で見事5連覇を達成した。
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女子決勝
〈中国 3-0 日本〉
- 陳夢 6、8、8 木原
- 王曼昱 9、-9、10、5 伊藤
- 孫穎莎 7、7、8 長崎
中国が世界ランキング1~3位の孫穎莎、陳夢、王曼昱を起用したのに対し、日本は早田ひながオーダーから外れ、伊藤美誠と木原美悠を2点起用し、3番には長崎美柚を置くオーダーで決勝に挑んだ。
決勝のトップバッターに起用された木原、得意の速攻で勢いをつけたいところだったが東京五輪金メダリスト・陳夢が立ちはだかる。木原のフォア前とバック深くへのサービスで先手を封じ、ラリーになっても懐の深い両ハンドドライブでことごとく木原の連打をシャットアウト。木原がリードする場面があっても、ジワジワと追い上げて最後は逆転し、ストレート勝ちで先制点をあげた。
東京五輪金メダルの陳夢と堂々のラリーを展開した木原だが、「何本打っても返ってきて、技術的に穴がない」とコメント
2番の伊藤vs.王曼昱は伊藤が高い打点からミート打ちの連打を叩き込めば、王曼昱が回転をかけた両ハンドドライブで応戦する白熱の展開。1ゲームずつを奪い合って迎えた3ゲーム目は伊藤が10-9でゲームポイントを奪うが、ここで決めきれず。王曼昱が3点連取を決めて、逆転でこのゲームを奪う。
4ゲーム目に入ると王曼昱の返球はさらに厳しさを増し、伊藤の緩急にもしっかりと対応。対する伊藤は強打のミスが目立ちはじめ、リードを広げられて万事休す。最後は10-5の場面で伊藤が回り込んで放ったフォア強打を跳ね返した王曼昱が、陳夢に続いて勝利を収めた。
一気に王手をかけた中国は孫穎莎が3番に控える盤石のオーダー。長崎の攻撃を受け止めながら、チャンスには強烈なフォアドライブを打ち込んで得点。2ゲーム目に入って長崎も得意の両ハンドドライブを放つ展開に持ち込むものの、孫穎莎が放つプレッシャーか、厳しいコースを狙うあまりミスが目立つ。最後まで盤石のプレーを見せた孫穎莎が長崎を寄せ付けずストレートで勝利を収め、中国の5連覇を決めた。
決勝まで無失点で勝ち上がった日本だったが、中国の壁は厚く、今大会もその壁に跳ね返された。伊藤が善戦したが、木原と長崎にとっては内容的に苦い決勝戦となった。しかし、2人にとっては決勝の舞台で本気の中国と戦った経験は大きいはず。この経験を経て、さらに大きく羽ばたいてほしい。