世界選手権男子団体、中国が10連覇の金字塔。躍進のドイツを3ー0で下す
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男子団体決勝
〈中国 3ー0 ドイツ〉
- 樊振東 8、8、9 デュダ
- 馬龍 9、6、ー9、1 チウ・ダン
- 王楚欽 7、8、4 シュトゥンパー
10月9日、2022世界選手権成都大会(団体戦)は大会最終日を迎え、現地時間の19時30分から男子団体決勝が行われた。前回の2018年ハルムスタッド大会に続き、中国とドイツの顔合わせとなった。
トップで相まみえたのは、世界ランキング1位の樊振東と、準決勝の韓国戦で2点を奪い、ドイツ決勝進出の立役者となったデュダ。樊振東の両ハンドの安定した攻守に対し、回り込みからのフォアドライブのコースが読みにくく、相手のミドルをうまく突いていくデュダ。1ゲーム目からシーソーゲームとなったが、終盤で樊振東が抜け出す展開。3ゲーム目もデュダが9ー7とリードして逆襲の機会をうかがったが、3点連取で10ー9とマッチポイントを握った樊振東が、最後は電光石火の回り込みからデュダのバックサイドをパワードライブで打ち抜き、ゲームセット。
準決勝の活躍の再現はならなかったものの、ドイツ男子の「中堅」という位置づけを今大会で脱却し、世界トップクラスの実力を証明したデュダ。アジア勢にも十分に対抗できる両ハンドの速攻スタイルを見せた。
続く2番は東京五輪チャンピオンの馬龍と、今年行われたヨーロッパ選手権の新チャンピオンであるチウ・ダン。裏面ドライブの安定性と台上のうまさを軸に勝ち上がってきたチウ・ダンだが、ラリー戦に持ち込まれると馬龍の決定力が上。3ゲーム目を落とした馬龍だが、4ゲーム目は出足で4ー0と一気に突き放し、気迫満点のプレーで勝利。34歳という年齢もあり、ゲーム間のベンチではやや疲労感をにじませる馬龍だが、回り込みの一撃ドライブの迫力は健在だ。
3番は昨日の日本戦ラストで戸上を下し、中国の大ピンチを救った王楚欽と、予選グループのフランス戦での活躍を期に3番手として定着したシュトゥンパー。台上バックドライブから思い切りの良い両ハンドのパワードライブを放つシュトゥンパーだが、緊張からか要所でミスが多くなる。王楚欽にとっては、昨日の強烈なプレッシャーに比べれば、楽に戦える試合であったろう。3ゲーム目は出足から7ー1、9ー3と一気にリードを広げ、ストレートで決着をつけた。
2000年のクアラルンプール大会決勝でスウェーデンに敗れた中国男子。翌年に行われた2001年大阪大会では、準決勝の韓国戦ラストで劉国正が金擇洙との球史に残る打撃戦を制し、タイトルを奪還した。それから続く連覇はついに「10」。日本男子は2年後の釜山大会で、この延々と続く中国の連続優勝記録をストップできるか?