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日本男子に試練。宇田幸矢が接戦制すも、及川瑞基と張本智和/吉村真晴ペアは敗れる

更新日
試合をする宇田選手

男子シングルス1回戦

  1. コズル(スロベニア) −10、9、6、5、−9、−4、2 及川瑞基
  2. 宇田幸矢 −9、7、9、−9、10、−8、4 ブルゴス(チリ)

男子ダブルス1回戦

  1. 林高遠/林詩棟(中国) 6、9、3 張本智和/吉村真晴

大会2日目の5月21日夜は、日本男子にとっては試練の戦いとなった。
 まず世界卓球の個人戦は初出場の及川瑞基が、スロベニアのコズルにゲームオールで惜敗。同じ1997年生まれで、及川がドイツ・ブンデスリーガでプレーしていた時には二度対戦していずれも勝利していたという相手。ジュースにもつれた1ゲーム目を及川が奪取したが、2ゲーム目以降はフォアを突かれたボールに反応が遅れ、ラリー戦で優位に立てない。逆にコズルは及川のストレートへのバックハンドでフォアを攻められても、よく動いて逆にクロスに反撃した。

試合をする及川選手
及川はコズルにゲームオールで惜敗

「相手がよく見えるのが自分の長所だし、今日も見えていたけど、久しぶりのヨーロッパ選手との対戦で、「これは抜けただろう」というボールでも鋭角に返ってきたりした。ぼくの武器であるスピードや俊敏性が出せなかった」(及川)。ゲームカウント1−3から最終ゲームまで持ち込んだ及川だが、出足でコズルのサービスから大きくリードを許した。男子シングルスのみ出場の及川、健闘するもこれで今大会での戦いを終えた。

敗れた及川選手
最終ゲームは一気に離された及川(奥)。この敗戦を次へのバネにしたい

また、及川の男子シングルス1回戦と同時にスタートした男子ダブルス1回戦では、篠塚大登の出場辞退に伴い、急きょエントリー変更で出場した張本智和/吉村真晴が中国の「林・林」ペアに果敢に挑戦。吉村の変化サービスと張本のチキータで先手を取り、優位な展開に持ち込みたかったが、中国ペアは正確なストップとラリー戦での安定性で、それを許さなかった。

試合をする張本・吉村ペア
エントリー変更で急きょペアを組んだ張本(左)/吉村、中国ペアからの勝利はならず

「台上で崩されてしまったのと、相手のサービスも非常に厳しくてチキータだったり、厳しくレシーブできなかったのが大きなポイントだった。練習できたのは2、3回だったけど、張本選手と組めたのは良い経験。お互いに切り替えてシングルスに臨みたい」。試合後にそう語った吉村。
 一方、これまでダブルスでは左利きとのペアがほとんどだった張本は、「右利き同士のペアは、動けば動くほど動きが難しくなってくる。それに対して相手は右利き(林詩棟)と左利き(林高遠)のペアで難しい試合になってしまった」と語った。

試合をする中国ペア
中国ペアはダブルスに定評のある左腕・林高遠(左)が、若手の林詩棟をうまくリード

一方、日本勢のアンカーとして男子シングルス1回戦に出場した宇田は、ブルゴス(チリ)にゲームオールで競り勝った。ブルゴスは台上でのボールタッチが良く、打球点の早いバックストップで宇田の3球目攻撃を封じ、打球点の早い両ハンドのカウンターを連発。宇田にとってはどのゲームも序盤でリードしながら、中盤で追いつかれる苦しい展開だったが、切れた下回転系サービスでエースを奪い、ラリーでは緩急をつけて粘り強く戦い抜いた。

 「開放された感じです。相手もかなり調子が良かったというか、思い切りの良いプレーがすごくあった。我慢しながら、相手のミスをうまく誘いながら戦いました」。試合後に安堵の表情を浮かべて語った宇田。2回戦では及川との対戦が予想されていたが、及川を破ったコズルとの対戦が決まった。及川の「敵(かたき)討ち」といきたいところだ。

勝利した宇田選手
ブルゴスとの心理戦を制し、初戦を突破した宇田幸矢