女子シングルス、3大会ぶりのメダル確定。ゲームオール21−19の大激戦で、早田ひなが王芸迪を下す
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女子シングルス準々決勝
早田ひな −4、3、9、−6、9、−8、19 王芸迪(中国)
早田ひなが女子シングルスでついに「中国越え」!
世界ランキング3位の王芸迪をゲームオール21−19の大激戦の末に破り、2017年大会の平野美宇以来となるメダルが確定!!
1ゲーム目はラリー戦から、王芸迪の狙いすましたフォアドライブで何本も打ち抜かれ、大量リードを許して4−11で落とした早田。しかし、2ゲーム目以降はフォアに振られたボールに対してうまく緩急をつけ、弧線の高いボールを使って王芸迪のミスを誘う。
サービスを持った時は、中国女子の中ではやや台上技術に難のある王芸迪に対し、フォア前へのショートサービス、バック深くへのロングサービス、そして台から出るか出ないかの「ハーフロング」サービスをうまく混ぜて揺さぶる。次第に王芸迪のフォアハンドの手数が減り、左利きの早田と右利きの王芸迪の対戦ながら、バック対バックでどちらが先にコースを変更するか、というタイトな戦いになる。
勝負のひとつのポイントは5ゲーム目。早田が8−5のリードから9−9まで追いつかれるが、11−9で奪取。そして、6ゲーム目を落として迎えた最終ゲームは、8−5のリードから今度は5点連取を許し、8−10でマッチポイントを握られる。
この絶体絶命のピンチで10−10に追いついた早田。その後は11−12、12−13、13−14と何度もマッチポイントを握られながら跳ね返し、逆に15−14、17−16と2回のマッチポイントを奪うが、互いに決めきれない。「本当に『点数取れないな』と思いながら、『どうしよう、やることないよ』と思いながらやっていた。お互いにすべてを出し尽くして、コース取りもわかっている状態でどう打つかの勝負だった。長かったですけど、あの舞台を経験できてすごくうれしかったです」と試合後の早田。20−19で3回目のマッチポイントを握り、最後はバックハンドで王芸迪のフォアを抜いた!
早田がしのいだ王芸迪のマッチポイントは、実に9回。この歴史的快挙に、メインアリーナの観客はスタンディングオベーションと「ヒナ!ヒナ!」の大歓声を送った。
早田ひな・試合後の主なコメント
「中国の壁は本当に分厚すぎて、これを越えてもあと4人いるのかという、現実を逆に突きつけられた感じもあります。でも一度乗り越えたことで、何かが自分の中で変わってくるはず。自分が中国選手に勝つために東京五輪以降やってきたことは間違っていないんだなと今日思いました。
勝った瞬間は本当にやっと、やっとだなと。対中国で勝ちたいと今まで頑張ってきて、伊藤選手や平野選手が中国選手に勝つ中で、私はまったく勝てなかった。早田は競るけど負けるという周りの評価を越えたい気持ちが強くて、そのためにサポートしてくれた方々の顔が浮かんできて、本当にうれしかったです。
中国の壁を越えたいと思っていたし、やっていたことは間違っていなかった。これだけ考えて、感じてやってきたことで、世界一を取るために少しずつ前進しているのかなと思いました」(早田)