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早田ひな、手に汗握るラリー戦の末に敗れて銅メダル。孫穎莎と陳夢が決勝進出

更新日
試合をする早田選手

女子シングルス準決勝

  1. 孫穎莎(中国) 4、5、8、−5、8 早田ひな
  2. 陳夢(中国) -5、11、12、6、7 陳幸同(中国)

女子シングルス準決勝、早田ひなは孫穎莎に1−4で敗れ、銅メダルが確定。日本選手団のダーバン大会での熱闘に終止符が打たれた。

フォアサイドを厳しく切るバックハンドや、左右に厳しく振っても体勢が崩れないリカバリーの早さなど、孫穎莎のプレーは「さすが世界ランキング1位」と言いたくなるものだった。

試合をする孫選手
小柄ながら身体能力の高さを見せた孫穎莎

早田も孫穎莎のバック半面にボールを集めながら、機を見て思い切り良く孫穎莎のフォアを突き、得点につなげたが、5ゲーム目の8−9と早田がリードされた場面では、早田が勝負をかけたフォアへのチキータを、孫穎莎が強烈な3球目カウンタードライブで得点。そのまま勝負を決められた。早田は「なぜあそこにボールを持っていってしまったのか、あれが勝負の分かれ目でした。あれを見逃さないのが孫穎莎選手の強さですね」と語った。

敗れた早田選手
最後は思い切って孫穎莎のフォアに送ったボールを狙い打たれ、惜しくも敗れる

会場では地元の観客からの「ハヤタ!ハヤタ!ヒナ!ヒナ!」の応援もあったが、中国から大挙して訪れた孫穎莎応援団の声援で、会場はかなりの「アウェー感」。しかし、早田は試合後、「周りの音は聞こえなくて、孫穎莎選手とふたりだけで勝負をしている感覚だった。中国相手にも本気で勝負にいっている感覚があった」と振り返った。

インタビューに答える早田選手
試合後のミックスゾーンでは涙を見せる場面もあったが、同時に充実感もにじませた

もはや中国は思い切ってぶつかる相手ではなく、互角にラリーを展開しながら、わずかなスキを突いていく対等な相手になっているのだ。今回の世界選手権3位の好成績で、選考ポイントのランキング1位に立つ早田はさらに2位以下との差を広げた。

また、女子シングルス準決勝のもうひと試合は、陳夢が今大会好調の陳幸同の両ハンド速攻をうまくさばき、4−1で勝利。準々決勝で世界女王の王曼昱を破って勝ち上がった陳幸同だが、懐の深い陳夢のバックハンドの緩急に揺さぶられ、あと1本が遠かった。明日の女子シングルス決勝は世界ランキング1位の孫穎莎と東京五輪女王の陳夢の対戦、どちらが勝っても世界卓球では初優勝だ。

試合をする陳夢選手
東京五輪女王の陳夢、世界卓球初優勝に王手をかけた