【世界卓球(卓球世界選手権)2019】初の世界卓球を終えた吉村和弘「目指すのはあくまでもオリンピック」
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大会第3日目の男子シングルス2回戦、カルデラノ(ブラジル)に惜しくも敗れた吉村和弘。昨年12月のITTFワールドツアー・グランドファイナルで樊振東(中国)をノックアウトしたカルデラノとのハードヒッター対決は、観客の視線をそのコートに集中させるほどの迫力があった。
試合後、ミックスゾーンで語り出す前に唇を噛みしめ、涙を浮かべた吉村。今大会での戦いを振り返り、「1試合目はすごく緊張しましたけど、後悔したくないという強い気持ちがあった。最後の1球まであきらめずにプレーできたのは成長した部分だと思います。後悔しないために最高の準備をしてきたつもりです」と吉村は語った。
「ぼくは世界ランキングが低いので、第8シードまでの選手と早くに当たるのはわかっていたし、カルデラノと当たるのがわかっても動揺はしなかった。多分同学年だし、初めての対戦で、やってみたかった選手のひとり。2ー2まではどちらが勝ってもおかしくない試合だったけど、そこから彼は強く攻めるところと攻めないところをしっかり見極めてきた。世界ランキングが高いプレーヤーに対しては、もっと攻撃的にプレーしなければいけないし、あとは守備面の課題や、凡ミスも減らしていきたい」(吉村)
最後に、今後の目標について聞かれた吉村。「ぼくが目指しているのはあくまでもオリンピック。この悔しさをバネにして、ワールドツアーなどの国際大会を一つひとつ、全力で戦っていきたい。その思いがより一層強くなりました」。静かに、そして力強く語った。3月で愛知工業大を卒業し、この4月から社会人として新たな一歩を踏み出した吉村。日本男子が誇る若き大砲の、挑戦の日々が再び始まろうとしている。