【世界卓球(卓球世界選手権)2019】張本智和、フレイタスに初勝利。水谷は最後の個人戦を終える
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男子シングルス3回戦
- 鄭栄植(韓国) ー7、ー5、9、4、4、ー8、8 水谷隼
- 張本智和 8、12、7、7 フレイタス(ポルトガル)
- プツァル(クロアチア) 9、ー8、8、ー8、ー2、5、7 オフチャロフ(ドイツ)
- 馬龍(中国) 6、ー7、6、3、8 サムソノフ(ベラルーシ)
男子シングルス3回戦、先に登場した水谷と張本は明暗を分けた。
水谷は「相性は良くない」と語る鄭栄植に対し、1ゲーム目中盤のビハインドを連続得点で逆転すると、2ゲーム目も連取。このまま一気に走るかと思われたが、3ゲーム目の4ー1から逆転されて流れが変わった。「3ゲーム目も4-1でリードしていて、序盤でリードして『これは勝てるな』という手応えがあったのに、そこから逆転負けしてしまったのが悔やまれる。3ゲーム目を逆転で落として、まだ2-1なのに0-3で負けているような心境になった」(水谷)。韓国応援団の声援に乗り、一気に息を吹き返した鄭栄植が3ゲームを連取する。
水谷は6ゲーム目の0ー3でのタイムアウトから、鄭栄植の得意なバックサイドではなく思い切ってフォアサイドにボールを集め、6ゲーム目を奪って最終ゲームに持ち込んだが、鄭栄植の上から叩きつけるような連続バックハンドに、最後まで苦しんだ。5ー10から8ー10まで追いすがるも、最後は鄭栄植のパワードライブがミドルを駆け抜けた。「これが最後の世界選手権個人戦」と語る水谷、その戦いはベスト32で幕を閉じた。
「ベスト16は自分の最低目標だったので悔やまれる。今は試合が終わったばかりで先のことは考えられないけど、この敗戦は後で生きてくると思う。3、4ゲーム目は自分が押されている中で、無理してカウンターをしてミスをしてしまったけど、1本ブロックして自分のラリーになるまで我慢するべきだった。
シングルスでメダル獲得できなかったのは心残りだけど、それも自分の実力で世界のレベルは高い。今大会、身体がついていかなかった。打った後の戻りも全然ダメだった」(水谷)
一方、張本は過去0勝2敗のフレイタスに完勝。観客席から母・凌さんの「粘るよ!」という声が飛ぶ中、中陣から粘られたボールを強引な連打で決めにいかず、コースを突くか回転量の多いボールでうまく攻める。レシーブもチキータにこだわらず、ツッツキとストップをうまく使って、体勢を不利にしなかった。確かな成長を感じさせる勝利だった。