卓球界の常識を 塗り替え続けたTSPラバー
- 1972年
スペクトル発売 - 粒が太く低く回転性重視の円柱粒『ファイナル』と、台形粒にした粒自身の安定性を引き出しスマッシュを打ち易くした『スピンエース』という2枚の表ソフトがあり、『スペクトル』はその2枚の中間を目指して作られた。
- 73年カタログ
スペクトル
- 1977年
カール発売 - シートの粒形状が打球時に曲がるということから『CURL(=ねじ曲げる。ひねる)』と名付けられた。
当時見たことがないほどの切れ味や変化に誰もが驚愕したという、まさに“魔球”を生むラバーとして注目を集めた。
- 89年カタログ
カール
- 1977年
- 第34回世界選手権バーミンガム大会 男子シングルス優勝 / 河野満(日本)『スペクトル』使用
- 1981年
- 第36回世界選手権ノヴィサド大会 男子団体優勝 / 王会元(中国)『スペクトル』使用
- 1982年
カールP-1、カールP-2発売 - 「『初代カール』をもっと使いやすいラバーに」をコンセプトに、縦目配置だった粒を横目に変更し完成したのが『カールP-1』。『P』は『Pinple(=粒)』の『P』が由来。
ツブの高さはP-1と同じだがカールの中で最も太い粒を開発『カールP-2』も登場。『カールP-1』の特長である変化を継承し、コントロール性と攻撃時のスピードを向上させたモデルとして開発。
- 1985年
カールP-3発売 - 「使い易さと変化のバランスが取れた粒高ラバーを開発しよう」というコンセプトのもと開発された。
P-1Rよりやや低く、P-2よりも細くする事により粒の揺れが少なくなり攻守の安定性を兼ね揃えた使い易い粒高が誕生した。
- 1987年
スペクトル・スピード、TSP730発売 - 数々のチャンピオンを生み出した『スペクトル』の発売から12年、『スペクトル・スピード』が登場。
それまでスペクトルの『スピードスポンジ』は特別注文で作られていたが、国内外問わず世界各国の選手からの要望が非常に多かったため、正式に商品化された。
TSP卓球研究室と中国卓球ラバー研究所の共同開発により独創的な分子構造を作り上げた。最高級高性能ラバー『TSP730』が誕生。
強粘着性のラバーシートと高弾力性のスポンジの組み合わせが「スピン」「スピード」「コントロール」の三つの要素を満たし、特に圧倒的な回転量で話題を呼んだ。
- 89年カタログ
TSP730
- 1987年
第39回世界選手権ニューデリー大会 女子団体優勝・女子ダブルス準優勝 / 李恵芬(中国)『スペクトル』使用
- 1988年
スピンピップス発売 - 数々の世界チャンピオンを生んだ『スペクトル』を創り上げたTSP卓球研究室が、中国の研究陣と技術連携し、共同開発して出来上がったのが『スピンピップス』。
『Spin(=スピン)』+『Pinples(=ピンプルス)』を合わせたのが『スピンピップス』の名前の由来。
柔かいゴム質と独特な粒形状で表ソフトラバーとは思えない強烈なスピンを作り出すことを可能にした。
- 89年カタログ
スピンピップス
- 1988年
- ソウル五輪 女子ダブルス優勝 / 玄静和(韓国)『スペクトル・スピード』使用
- 1992年
- バルセロナ五輪 男子ダブルス優勝 / 王濤(中国)『スペクトル』使用
- 1993年
カールP-3α発売 - 「攻撃の時に『カールP-1』ではコントロールが難しい、『カールP-3』では変化がちょっと…。」というユーザーの声を反映して開発された。
粒の高さは『カールP-3』と同じ、粒の太さは『カールP-3』より細く『カールP-1』と同じ設計。
- 1994年
スピンピップスパワー発売 - シートは『スピンピップス』と同様だが、高弾力のスポンジを組み合わせ、ソフトな打球感ながらもハイスピードなボールを実現。当時主流であったラバーの性能を向上させるスピードグルー(*現在は使用禁止)との相性が良く効果を発揮し、破壊力のある表ソフトラバーとして広く親しまれた。
- 1996年
スピンピップス チョップ発売 - 従来の『スピンピップス』の中国製ゴムシートはそのままに、カット用の高性能スポンジにアレンジ。独特のゴムシートがツッツキやサービスの時の回転力を作り出し、やや弾性を押さえたスポンジがボールコントロールを確実なものにし、なおかつナックルカットも威力を発揮した。
- 1997年
トリプル・スピン、
トリプル・スピード、
トリプル・パワー発売 - 『スピン』『スピード』『コントロール』の三拍子がそろったラバーから『トリプル』と名付けられた。立体的な打球点、コントロール性能が抜群、従来のラバーよりも回転力が大きい、そして摩擦力を高めるため、ラバー表面に中粘着性を持たせた設計。
- 1997年
トリプル・スピン
- 1999年
カールP-1R、カールP-3αR発売
(*ITTFルール改正に伴い発売) - 粒がロングでスリムな『カールP-1R』は、カールシリーズの中において最大の変化度を誇っており、変化を最大化するために、形状比率1.1以下で規定範囲ギリギリの設計値で開発した。またゴムの配合においても、商品名の『カール』の如く打球時の曲がりやすさを引き出せる、極めて柔らかな材料を採用している。
名前に付いている『R』は、『カールP-1』を『Renewal(=リニューアル)』したということからRがつけられた。
粒がスリムでソフトな『カールP-3αR』は、従来のカールシリーズを使った多くの選手からさまざまな意見を吸い上げ、試行錯誤しながらようやく製品化した『カールP-3α』のリニューアル版。「P-1Rでは難しすぎる」「P-1Rの変化に近く、P-3みたいに使いやすくしてほしい」との要望が多く、形状比率1.やゴム配合を徹底的に研究し完成した。
- 2000年
MDスピンピップス、MD スピンピップスパワー、
MDスピンピップス チョップ発売(*ITTFルール改正に伴い発売) - 数々の国際大会で活躍する選手たちを支えた従来の『スピンピップス』のスピン・スピード・パワーの威力と独特なナックルの特性を備え、さらに良いコントロール(打球の安定性)を作り出すモデルとして誕生した、『MDスピンピップス』。
『Modified(=変更した)』+『スピンピップス』を合わせ名付けられた。
『MDスピンピップス』よりもさらにパワフルにするため高弾性のスポンジを組み合わせたのが『MDスピンピップス パワー』。当時主流であったラバーの性能を向上させるスピードグルー(*現在は使用禁止)との相性が良く打球のスピードが飛躍的に向上した。
『MDスピンピップス』のラバーシートにカットマン用の特殊スポンジを組み合わせた『MDスピンピップス チョップ』。変化カット、ツッツキ、攻撃に威力を発揮するラバーとして新しいカットマンスタイルを実現するラバーとして登場した。 - 2000年
シドニー五輪以降38㎜ボールから40㎜ボールへ
- 2000年
MDスピンピップス
- 2001年
スペクトル・21sponge、
MDスピンピップス・21sponge、バンブーカールP-1R、
トリプル・21sponge発売 - 『スペクトル・21sponge』と『MDスピンピップス・21sponge』はボールの規格変更に対応するように開発されたモデル。
『21sponge』とはボールのルール変更に伴い開発された柔らかいスポンジのことで、21世紀に誕生した新しいスポンジという意味が込められている。
『スペクトル・21sponge』は、スペクトルに比べてやわらかいスポンジに変更され、表でも回転をかけたい選手やシェークバック表の選手だけでなくシェークフォア表の選手も満足のいく攻撃プレーが可能。
『MDスピンピップス・21sponge』は、表ソフトでも下回転に対してドライブがやりやすいラバーであり、ドライブからの連続攻撃で力を発揮した。
『バンブーカール』は、『Banboo(=竹)』が雪を被ったときに雪を跳ね返す動きとボールの跳ね返る動きが似ていることから名付けられた。
1999年7月にITTF公認ラバーとなり、当時新しくデザインされた国際ルール形状比率(アスペクテレオ)限界の粒高ラバーのラバーシートは、従来の「カール」シリーズ以上に強烈な下回転になったり、ボールが激しく揺れたりするほどの変化幅が特長であった。
スリップしやすい新素材のため、粒表面でボールがスリップし、アンチスピンラバーのような効果を発揮した。
『トリプル・21sponge』は、従来のトリプルが誇る『スピン』『スピード』『コントロール』の3大要素はそのままに、40㎜ボールに対応した『21sponge』の軟らかいスポンジを採用。当時主流であったスピード接着剤効果が高いのが魅力のラバー。
- 2001年
MDスピンピップス・21sponge
- 2001年
スペクトル21sponge
- 2001年
バンブーカールP-1R
- 2001年
トリプル・21Sponge
- 2004年
トリプル・スピンチョップスポンジ、
トリプル・スピードチョップスポンジ、
トリプル・パワーチョップスポンジ発売 - 『トリプルシリーズ』のカットマン用ラバーとして誕生。
従来のトリプルの最大の特長である『スピン』『スピード』『コントロール』の3大要素に加え、スポンジの硬度を変え、強烈な回転と安定したカットの『トリプル・スピンチョップスポンジ』、カットと攻撃のオールラウンドを両立させる『トリプル・スピードチョップスポンジ』、カット用のスポンジの中で最も硬いスポンジを採用し、強烈な攻撃とカットを両立させる『トリプル・パワーチョップスポンジ』が完成した。
- 2004年
トリプルチョップスポンジ
- 2006年
第48回世界選手権ブレーメン大会 女子団体3位 /
日本代表選手『トリプル』『カールP-3ソフト』使用 - 2006年
スーパースピンピップス、
スーパースピンピップス・21sponge』発売 - 従来の『スピンピップス』シリーズ最大の特長であった「回転」性能の高さを引き継ぎながらも、粒形状の改良を重ね、台形の粒の底を広くすることで回転力と安定感が向上し、生まれ変わった『スピンピップス』として誕生した『スーパースピンピップス』。
新しく生まれ変わった『スーパースピンピップス』に21spongeを採用し、威力とコントロールを両立した『スーパースピンピップス・21sponge』も同時に誕生した。
- 2006年
スーパースピンピップス
- 2007年
スーパースピンピップス・チョップスポンジ発売 - 『スーパースピンピップス』のカットマンタイプとして誕生。ハードスポンジを搭載し、表ソフト特有のナックルカットを生み出しやすいラバーが完成した。
- 2008年
有機溶剤入りラバー接着剤(スピードグルー)が使用禁止に
第49回世界選手権広州大会 女子団体3位 /
日本代表選手『トリプル パワー』『カールP-3ソフト』使用
- 2008年
カールP-H発売 - 『カールP-H』は「粒高ラバー=守備向けラバー」という固定概念脱却し、「攻撃ができる粒高ラバー」というコンセプトをもとに開発。打ちやすさを追求しゴムの質を硬くすることで 、粒高ラバーでの攻撃が可能となり、ナックル性に富んだボールを生み出すことができる。また『P-H』の『H』は守備をしながらもたまに攻撃に転じることから『Pinch Hitter(=ピンチヒッター)』が由来。
- 2008年
カールP-H
- 2011年
カールP-4発売 - 『P-4』は「使いやすさとP-1Rのような変化を兼ね備えたカットマン向け粒高ラバー」をコンセプトに開発。ラージボールのラバーでも使用される柔らかいスポンジと、切れ味抜群のP-1Rをベースに、粒形状は柔らかなスポンジの上でも粒が倒れやすいようにシートを設計。
- 2011年
カールP-4
- 2013年
ヴェンタススピード、ヴェンタススピン、ヴェンタスソフト、ヴェンタスベーシック、スーパースピンピップス・チョップスポンジ2発売 - 『スーパースピンピップス・チョップスポンジ2』は、回転系のトップシートがスピンのかかったカットを可能にし、新採用のソフトスポンジが相手の球威を抑えることを可能にした、回転と安定を両立するカットマン用の表ソフトラバーとして登場。
ラテン語で「風」という意味の『ヴェンタス』。TSP初のドイツ製ラバーとして新しい風を巻き起こしてほしいという願いが名前に込められており、『ヴェンタス スピ―ド』『ヴェンタス スピン』『ヴェンタス ソフト』『ヴェンタス ベーシック』の4種類が登場した。
- 2014年
ワールドツアーグランドファイナル 女子シングルス準優勝 /
徐孝元(韓国)『カールP-1Rソフト』使用
- 2016年
スペクトル レッド、スペクトル ブルー、
スピンピップス レッド、スピンピップス ブルー - スペクトルシリーズ初のテンションギア『スペクトル レッド』『スペクトル ブルー』。どちらもトップシートは『スペクトル』を継承しているが、スポンジ硬度とテンションの強さを変更したモデル。
『スピンピップス』シリーズに待望のテンション搭載モデルが誕生。テンションのかけ具合や、スポンジとシートの接着の問題で幾度となく改良を重ね、開発された『スピンピップス レッド』、『スピンピップス ブルー』。
『スーパースピンピップス』の回転性能を継承したシートにスポンジ硬度とテンションの強さを変更した。
- 2018年
第54回世界選手権ハルムスタッド大会 女子団体3位
(統一コリアチーム)/ 徐孝元(韓国)『カールP-1Rソフト』使用
- 2018年
スーパーヴェンタス発売 - ヴェンタスシリーズの発売から5年。V›15シリーズで培ってきたVICTASラバー開発のノウハウを注ぎ込んだ、シリーズ最上位モデルとして『スーパーヴェンタス』が誕生。
「スピード」と「掴みやすさ」を両立した新開発のスポンジと、ボールの回転エネルギーを増幅する新次元の弾力性を備えたトップシートを搭載した。
- 2018年
スーパーヴェンタス
- 数々の世界チャンピオンを生み出した
TSPラバーの技術と歴史は
VICTASに引き継がれていく。