日本屈指のカットマン村松雄斗の卓球技術解説-Vol.4カウンター-
- 更新日
日本屈指のカットマン、村松雄斗選手による卓球技術解説を全5回に渡って公開。
第4回目の今回は、『カウンター』を紹介。
現代卓球のカットマンはカットだけでなく攻撃の技術も必要不可欠。
村松選手はカットマンの中でも攻撃力が高いことが特長のひとつである。
そこで今回はカットマンの『カウンター』技術を解説していく。
攻撃マン同士のラリー展開におけるカウンターと違い、対カットに対するドライブのカウンターではどんなことに気を付けているのか村松選手ならではのポイントを聞いてみた。
『カットして相手にドライブされてカウンターなんですけど、カットしてるんでその分下回転がかかっている。前のボールで相手のドライブも上回転がすごくかかっているからボールの力に押し負けないようなスイングの速さと、やっぱり回転がかかってるとオーバーミスしやすいんでその分体で調節してあげるようなその場で打つとどうしてもオーバーしやすいんで打った後にちょっと沈み込むようなイメージ。
合わせようとすると相手のボールに影響されやすいので相手の(ボールを)上回るような気持ち、スイングでやると相手のボールに負けないようなボールが打てると思います。
打てない時もあるんですけど、その時は足を先にもっていくようにしてやってます。
(カウンターする)前のカットのボールをみていいカットが入ったら、打てる準備をあらかじめしたりとか、そういうイメージを持つのも大事だと思います。』
カット打ちのドライブの回転量は通常のドライブよりも多いことが想定されるので、相手のボールに負けない速さでスイングすることが重要なポイントのようだ。
実際の試合でのカウンターの様子を見てみよう。
動画からもわかるようにトップ選手のカット打ちはより回転量が多く、ボールに重みがあるのが見て取れる。
村松選手は相手のボールに負けないよう、スイングスピードを上げて体全体を使って相手のボールを利用しながら鋭いカウンターにしている。
カットだけでなく、常に相手の隙をついたり、相手を惑わせたりするようなプレーを意識しながらカットと攻撃を組み立てているところが村松選手のプレースタイルを確立させているのだろう。
次は実際に村松選手が実際に行っているカットからカウンターの練習内容を紹介していこう。
※右利きを想定
- ミドルに来たドライブを相手のフォアへカット
- フォアに来たループドライブを相手のフォアへカウンター
----以後繰り返し----
『この練習のポイントはループ(ドライブ)で来たボールに対して自分の姿勢が高いと難しいので打つ前と打った後に同じような姿勢にする。低いボールだったら打つ前は高い姿勢で打球するときに低い姿勢になってしまうと目線が上下してしまう。
なので打つ前から低くなって打つ瞬間も同じ目線でやることがポイントです。
あとは自分が強く打ったら相手のブロックも早く返ってくるんで打ってその場で見ていないで自分の体重移動を利用して戻るような感覚で。素早くカットしてまたすぐ戻る。
打ってその場にいないで素早く準備することが大事だと思います。』
ここでは1球練習で紹介しているが、始めから1球で練習するのではなく同じ方法で多球練習から取り組んで慣れてきたら1球練習に変えていくなど自分のレベルや身につけたいポイントに合わせて練習方法を工夫しよう。
『(カットからのカウンターで打てるボールについては)できたら全部打つのは良いと思うんですけどやっぱりどうしても難しいボールもあると思うんでそういう時はカーブロングで繋ぐのも混ぜてもいいと思います。基本は打つ準備をしてて難しそうだったら繋ぐ。繋ぐのを待っていて打つとなったら時間がないので先に難しい方(カウンターで攻めに行く方)を待ってどうしても無理だったら繋ぐようなイメージでやるといいと思います。』
村松選手も話しているように、カウンターできるボールはカウンター、難しいボールは繋ぎのカーブロングというようにボールや場面に合わせて適宜対応することが大切。
やみくもに攻撃しようとするのではなく、ボールを選んで打つことを心がけよう。
村松雄斗選手プロフィール
- 所属
- 東京アート
- 生年月日
- 1996年10月14日
- 戦型
- 右シェーク守備型
- 使用用具
- ラケット:KOJI MATSUSHITA OFFENSHIVE(松下浩二オフェンシブ)
バックラバー:スペクトル